ずっと待ってました。「HUNTER×HUNTER」29巻。
理由は2つ。1つ目は掲載時からずいぶん時間が経ってしまっていたので忘れている部分もかなりあったから。2つ目は雑誌掲載時からずっとしたかった更新ができるからです。
先日更新した2つのエントリはこの更新のための前振りでした。
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「HUNTER×HUNTER」サブタイトルについて考える(前編)・
「HUNTER×HUNTER」サブタイトルについて考える(後編) ずっと書きたかった更新というのは
NO.305/残念の話です。このタイトルは凄い。
実際に「残念」という表現が用いられているのはここです。
「…ゴン。残念だけど、キミを殺さなきゃいけない。王の為…」 ピトーは、カイトが既に死んでおり自身の能力をもってしても戻せないことを告げたことで絶望するゴンに対して「残念」と言い放ちます。
ここで「残念」という言葉を用いるピトーの真意を考えるだけでまた1つ更新ができそうな気がしないでもないですが、本題ではないのでさらっと。自分の中では
・約束を守ってくれたゴンに対して、殺すという不義理を自分がしてしまうのは残念なこと
という意味で、ピトーの変化の一端がここでも描かれているのかなと今は解釈しています。
閑話休題。ただ、この「残念」はピトーの本心ではないという見方も強くあって(画像でわかるようにピトーは全く残念そうな顔をしていない)、この言葉をタイトルに持ってきたい時に、冨樫先生があえて言わせたと考えたいです。
その、あえて言わせた理由=この回のタイトルが「残念」な理由は以下のシーンが根拠です。
自分を殺そうとするピトーに対してゴンは
「もうこれで終わってもいい。だから ありったけを」 残り全ての力を使い切ってでもピトーを殺すと決意します。
この作品における力はオーラ=「念」によって表わされています。
ならば「ありったけ」とは残りの念すべてのこと。ゴンは"残"りの"念"を使い果たしてでもピトーを殺すと決意したと変換することができるのではないでしょうか。
つまり、
「残念」と書いて「ありったけ」と読める、すごいタイトルだというわけです。
何でこの「残念」というタイトルの回がずっと気になっていたのかというと、「HUNTER×HUNTER」でないと成立しないタイトルだからなのだなとわかりました。
「念」という概念が作品に無ければ、その念がオーラという形で存在し、消費するもの≒"残るもの"として存在しなければ、この「残念」に「ありったけ」という意味を持たせることはできなかったと思うんです。
だからこの回が凄いと記憶されていたのかなと。
今後どんな展開が来たとしても「HUNTER×HUNTER」で一番上手いサブタイトルを1つだけ選ぶとしたらこの回であると断言できます。
ここから先、ゴンがどうなったかの話はきっと色んな所で書かれるはず。当時からもの凄く話題になっていましたから、単行本が出たこの時期にもまた話題に上るでしょう。
あえて何か感想を言うとしたら、キルアが一瞬の間に確かに聞こえたゴンの声が細かいけど上手いなということかな。よくわからんレベルに達してしまったゴンの凄さを、作中で既出の描写(ネテロとピトーの一瞬の攻防)で表現していることに今回気付いて膝を打ったのでした。
こんな感じで終わりますが、「残念」の凄さは伝わったでしょうか。伝わっているといいな。
念術者の死後も念の効果が残ることは前出ですし、ピトーの上記セリフ「キミを殺さなきゃいけない 王の為に…」という確固たるピトーの決意=念が残った→残念、とも読めるなと。