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「7SEEDS」 涼の抱える「秘密」とまだ終わらない「テスト」

隕石落下による天変地異から人類を救済するため、政府が考案した「7SEEDS」計画。
夏のBチームはAチームから離脱した二人と合流し、航海にでた。
船上では命に関わるトラブルに幾度となくあうが、それはAチームの二人が仕組んだ"テスト"だった。
緊迫する状況下で、己の力が試される――!!
(単行本裏表紙より)


「7SEEDS」18巻です。
前の巻から引き続き夏Bチームの試練が続きます。
「テスト」と称しているせいか、夏Aの選抜テスト編と同じように「曲名」がサブタイトルになっています。
ただ、夏Bは一般人からの選出ということで、夏Aの時と違って邦楽のヒット曲であるというのが面白いです。
と言っても、知らない曲もあったので検索してみたところ「人形の家」というタイトルの曲は戯曲にも邦楽にもあるみたいです。
ちょうど安居が「茂ともう一度ここを登る」と決意を固めた回なので、やっぱり夏Aの二人の転機になりそうだなとか深読みをしてしまいます。

どっちかというと、「テストだから」じゃなくて「夏Bにとって重要な局面だから」こういうサブタイトルになっていると思ってるんですが。終わってみないとわかんないですけど、涼と安居にとっての転機であると同時に、危険な目に遭った夏Bの成長も兼ねてるので、「テスト」じゃなくなったとしても重要なエピソードであるはずです。
(まあ、7SEEDSで重要じゃないエピソードがあったか?と言われると無いんですけども。)


今回は涼について詳しく書くので、他の面々については簡単に済ませてしまいます。
えーと、うん、俺はチームでは夏Bが一番好きなんですが、中でも蝉丸が大好きなので本当にごちそうさまでしたって感じです。
ナツに対する想いが本人も無意識のうちに膨れ上がっていて、誰も聞いていない所で「まってろナツ」とか言っちゃうのはたまらんです。
螢にも笑われるレベルまで行くとは思わず…ホント可愛いな蝉丸は。
という感じで、蝉丸が好きなだけに18巻の引きが不安でしゃーないです。
ちなみに撃った撃たれたではなく、ケガの方です。腕をよく見るとケガしてすぐに気づいた感じなので「何かいる」という蝉丸のカンは当たっているのかなと。

あとやはりナツも好きなので余計に気にしてしまいます。
以前書いたエントリーで「ナツの育ちが気になる」と言ったこと(ナツの祖母について)を頭の片隅に置いてみると

100831-1.jpg
(18巻・107ページ)

涼より早く船体の傾きに気づいたのは見過ごせません。
(時系列がわからんので、もしかしたら同時か、涼の方が早いのかもしれませんが)
「わざわざとろくさいナツに"気づく"役割を与える」意味を考えると、やっぱり何かあるのかなと思ってしまいます。
船の外側で気づいたのが夏Aの涼なんだから、それこそ数歩前を歩いている安居でもいいはずなんですよ。
なのに、ナツが気づくということは……うーむ、やはり気になります。

それとナツの「あたしを食べてもいいからナッツ(飼い猫)に助かって欲しい」という考え方は、「未来に行くのは安居だ」と言って自分の命を捨てた茂に近いものであり、この辺が安居を救う鍵になるんですかね。
安居に関しては「どうなれば救われるのか」がイマイチ見えて来ず、見落としてはいけない要素があるのに上手く繋がってくれません。誰か安居について書いてほしいです。
とりあえず、「テストの意味=過去の世界で生きた意味を見つける」ことと「自分の落ち度を自覚すること」は大事なのかな。全部大人のせいだ!って言ってるのは間違ってるんでしょうし。


○涼の抱える「秘密」とは

さて、18巻で気になる点と言えば、螢に「秘密をかかえてらっしゃる」と言われた涼についてです。

と、その前に涼の変化について少し触れておきましょう。
今回のエピソード「小暑の章」は「夏Bのテスト」になっています。
この「テスト」を始めたのは他ならぬ涼と安居でしたが、安居は過去の後悔を思い出し、いつの間にか「まだテストは終わっていない」と錯覚してしまいます。
そのことに気づき、何とか正常にしてやろうとしていがのが涼でした。
が、涼は自身が選択を誤った(と貴士に言われた)船を目の前にすることで、「テストは終わっていないのではないか?」と思うようになります。

100831-2.jpg

「まだ試されてるんじゃないのか…?」

ここで注目したいのが安居と涼のテストに対する思いの違いについてです。
安居は「茂を助けられなかった後悔」が残っているので「テストが終わっていない、もしくは、やり直したい」と思っています。
一方の涼は「選ばれるには各々に与えられた試練をクリアしないといけない」と思い込んでいました。事実、涼は「オレのテストはなんだ」と言っています(9巻・10ページ)
(これは源五郎や鷭を見て自覚したことで、このことを踏まえると涼は全員に気を配っていてリーダー気質なんだなと思わされるんですが、今は置いておこう。余談ですが、今回のエントリーを書くにあたって読み返したら涼の優しさが各所で垣間見えてかなり好きになりました。)

つまり、生き残るのが「テスト」ではなく、それぞれに用意された「テスト」をクリアする≒自分の役割?を知ったうえで生き残ることが重要なのだと涼は解釈していたように思います。
涼は自身の「テスト」を「貴士先生を殺すこと」であると船の中で知るのですが、ギリギリのところで「殺す」という選択ができませんでした。
その結果として、茂の最期の瞬間に居合わせることになり、そこで「茂を手に掛けるのが自分の役目である」と自覚し、「オレはできるんだぜ」と自己暗示をかけてまで己の役目を全うしようとします。

全てが終わったあとに「オレがやった」と言い、自分の役目を果たしたように見える涼ですが、茂のロープを切断する=役割を実行するシーンをよく見てみると

100831-4-2.jpg
(9巻・111ページ)


実は涼はここでも何もできていなかったことがわかります。

コマの流れだと茂が上で涼が下になっていますが、この時の位置関係はコマとは逆で茂が下で涼が上。
つまり、同一のコマに「涼が何かに気付くコマ」を中間点の代わりとして挟んだわけではなく、ちゃんと時間が流れている3コマになっています。
なので茂が切ったのが先になります。
このことから、涼は「自分に用意されたテストを乗り越えていない」ことがわかっているため「テストがまだ続いている」と錯覚してしまっているんですね。

さて、ここで一端話を戻しましょう。
涼だけがいる場面で螢が「秘密」について言及しているため、夏Aの誰かに対して隠していることのような気がしています。
(花を行方不明にした原因を作ったであるとか、他のチームに会っているとか色々ありますが、それは安居と共有していることなので、「涼だけ」に言う必要はないはず。)
なので、安居に隠している、というか言っていないこのことがそのまま「秘密」なのかもしれませんが、「茂は自分でロープを切った」と言って安居の心が救われるかと言ったらそれは無いので、これではないと思っています。
安居が涼を恨んでいるならともかく、どうしようもなかった場面ですし。

まあ、例えば、茂に似たナツを救う事で安居の心が多少晴れて、でも茂を救えなかったことを悔いている時に、「茂が自分でロープを切ったのは、自分の代わりに安居に未来に行って欲しかったから」という所まで話せば意味はあるのかもしれませんが……これを話して物語が大きく動くことはなさそうな気がします。

というわけで、わざわざ個別に話を設けたんですが結論はわからんということになります。


○涼にとっての「テスト」とは

せっかく「テスト」についてちょっと語ったのでもう少し掘り下げましょう。
結論から言うと「涼が試されていたのは"判断力"ではないか?」ということです。
(テスト終了後に貴士が「未来に行ったらそういう判断を間違うなよ」と言ってるんですが。(9巻・114ページ))

オトコでも読める少女マンガのいづきさんが18巻の感想で仰っているように、無意識のうちに「虹子なら行かないだろうな」と言ったり、
(虹子が涼に向かって「行かない」と言ってるシーンはちゃんとある。10巻66ページなど)
危険な場所には行くべきではないと言ったりと、自分の意思とは無関係に、判断せずにとにかく危険を回避しようとしています。
(ただ、実際は安居が心配であったり、まつりを放っておけないと思って行ってしまうのが涼の良い所なんですが。マジでかっこいいです。)

危険回避以外の話だと、テストの時に貴士に対して「あんたを殺せば加点だったのか?」と他人に聞くことで答えを求めていたり、
茂を見捨てるのが自分の役目だと思い込む=深く考えずにそう決めつけている、といったように、
涼は自分で考えて答えを出せなくなっているような気がします。

涼は18巻で、まつりとの会話から何かヒントを得ます。
「危険は回避すべき」と言った涼に対してまつりが「行ってみないとわからない」というようなことを言い返しました。
これは「危険でも行ってみよう」って話ではなくて「危険だから行かない、じゃなくて自分で考えてみようよ」って話で、涼に必要なものなのではないかな、なんて思うわけです。


こんな感じで、涼についてちょっと掘り下げてみましたがどうだったでしょうか。
今回、涼について書くにあたって読み返してみると、実は優しい奴でリーダー気質なんだなということがわかり、一気に涼のことが好きになりました。
男キャラだと蝉丸がブッチギリだったんですが、ここ数日で涼がかなり良い所まで来ているので、19巻以降の展開次第では1位が入れ替わる可能性も大いにありえそうです。
非常に魅力的なキャラクターなので、こんなに言うほどか?と思った方はぜひ涼の一挙手一投足に注目してみてください。良いシーンがいっぱいあるはずです。

あ、個人的には涼×まつりはアリだと思っています。


【関連記事】
「7SEEDS」で気になる7つのこと(前)
「7SEEDS」で気になる7つのこと(中)
「7SEEDS」で気になる7つのこと(後)

こんなの書いたくせに、7つの富士と方角の関係には全然気がつかなくて、18巻序盤で涙目になったのは言うまでもありません。


もしよかったらでいいので、「7SEEDS」について詳しく書かれているサイトさんがあったら拍手コメか何かで教えてください。
こういう作品は色んな人の感想を読むのも楽しいので。

「鋼の錬金術師」 ホムンクルスの生き様‐ラスト編‐PageTop「7SEEDS」で気になる7つのこと(後)

Comment

初めまして。
いろんな角度の見解があっていいかと思い,遅ればせながらカキコです。
涼のくだりについては、まさしく「危険でも行ってみよう」の方に比重があるのではないかなぁと私は読みました。
涼のくだりのラストの締めは、「現実はテストじゃない」(=”現実に正解はない”)でしたから。
たとえば「安全」という意味なら,新巻はシェルタ内に居続けるのが一番,安全でした。寒さからは守られるし,怪しい食糧を口にする心配もない。けれど,ずっとそこにこもりっきりだったら,食糧を食い尽くした時点で死,滅びを待つしかありません。それがこの世界です。

高度に文明が発達した現代文明だったらシェルタ内待機で救出を待つのが「正解」。けれど,未来世界では自ら生活できる場を切り開いていかねばなりません。今の社会も先達の大航海やら何やらの危険隣り合わせの挑戦のうえに初めて可能になったものであるわけで。現代だったら火星あたりが、花たちにとっての崖の向こうの森と同じレベルなのではないかしら。

これまでの発見などをフルに活用しながら、フロンティアに自ら挑んでいく。夏Aメンバー全般に欠けていたのは、こういう自分の意志で切り開いていく姿勢なのではないか、と感じます。というより、嵐に従うなら、未来に放り込まれた大半のメンバーに欠けていた、となりましょうが。

田村先生は知識や観察力、予測力、警戒心や準備等々、どれも軽んじない描き方をされていると思いますが、それでも「~したい」という内側から溢れてくる主体的な気持ちこそが「生き延びる」うえでは何より重要、という捉え方をなさっている気がします。新巻をして15年、生き延びさせたのは「他のメンバーに会いたい」という強い情動によるものと描き方になっているんじゃないかなと。

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