※2009年7月の更新を修正して再掲したものです

まークン達が2年生になったことで1年生の新キャラが登場しました。
それがこの青石日來ちゃんです。
この子のせいで「お茶にごす。」が続くもんだと思い込んでしまったので、終わると知ったときは大層ショックでした…。「部長が卒業した時に確実に終わるな…」と思ったのを、まークンが2年生になったのと、この子が新入部員になったことで綺麗に打ち消してくれたと錯覚させられてしまいましたから。
あと、この子と直接関係ないんだけど、7:3まークンの回が面白すぎて残り数回でやる話じゃない気がしたってのもあります。
まず感心するのが西森先生の引き出しの多さです。
「今日から俺は!」の理子、京ちゃん「天使な小生意気」のめぐ、美木、、「道士郎でござる」のエリタン、道士郎ママ(←実は西森作品で一番可愛いかもしれない)、そして「お茶にごす。」の部長と夏帆といったように、「女の子の可愛さである程度成り立ってる作品」じゃないにも関わらず西森先生が描く女の子はとにかく魅力的なんです。
そんな彼女たちとはまた違ったタイプで、おおざっぱに分類するなら今まではチョイ役だった「軽い感じの女の子」になるんですかね?

今までは主人公のタイプに合わせて「理想の女の子」が出てきてた印象を受けるんですが(エリタンは例外かもしれないんですが、健助の理想っぽいので当てはまらなくもないのかな?)、今回は「まークンの成長を見せる為に」出てきたせいか、それとも「物語における大きな役割」を担っていないせいか真新しい感じを受けました。
1行にまとめると、メインキャラでこんなにぷわぷわしてる子はいなかったよね、ってことです。
で、まだ(当時)4回しか出てきていないのに、ちゃんと「ヒナちゃんってこんなキャラだよな」って言えることにも西森先生の力を思い知らされます。
ベクトルは違いますが、「今日俺」のフンドシマスクなんかも出番が少ないのに強烈に印象に残ってますから、短期でのキャラ立ての力は抜群だと考えて間違いないでしょう。

あと、可愛いだけじゃなくて今までにいなかった「まークンを普通の男として見てくれてる」ポジションなんだなと読んでいると気づきました。
言い換えるなら、向こうから積極的に近づいてきてくれると言ってもいいのかな。
夏帆(と智花)は今でこそ割と普通の関係を築いていますが、"最初から"(←ここ大事)まークンを「普通の人」とは思っておらず、茶道部から追い出そうとしていました。
部長は「普通の人」として接しようとしてくれたんですが、外部の情報だったり、まークンの「普通」の感覚がおかしかったりで、やっぱり物語前半ではどこか壁がありました。で、やっと普通の関係を築けそうになったところでまークンの方から距離を置いてしまったので「普通」の関係にはなれなかったという悲しい結果になりましたし…
でも、今週号を読んでもらえばわかるんですけど、ヒナちゃんはまークン(と山田)と肩を並べて歩いてるんですよ。しかも部長たちといた時にしてた話題は「昔はどんな子供でしたか?」とか当たり障りのないものだったのに、ヒナちゃんとは「夏帆さんとどういう関係なんですか?」といったような突っ込んだ話まで出来ているんです。
これはヒナちゃんの性格のおかげでもあるんでしょうけど、1年間茶道に携わることによって(と言うより、部長と出会って自分のことや周りのことをよく考えるようになって)「まークンが優しくなれた」ということをも示しているんでしょう。
そういう意味では「優しい人になりたい」というまークンの望みの延長にあるであろう「普通の人と普通に接したい」という願望をわかりやすく示してくれているので、「お茶にごす。」の最後を飾る新キャラとしてふさわしいんじゃないでしょうか。

ラスト5回しか登場しないという扱いは「勿体ない!もっと見たい!」に尽きます。特に今週は可愛かったですし…!(ということでもう1枚貼っておく)
西森先生のことですから、新作ではまた違ったタイプの女の子が出てくるでしょう。ってことは「ヒナちゃんっぽい」子は出ないかもしれないんです。そう考えると…ホントもったいないです。
なんですが、こんな良キャラを作品のラストのアクセントとして使って終わらせる思い切りのよさは紛れもなく「西森先生らしさ」なんでしょう。
(ついでに言うと印象にも残るんですけどね)