素晴らしき少年マンガ「金色のガッシュ!!」を振り返る。その1

皆さんにとって「最高の少年マンガ」は何ですか?
ドラゴンボール、ワンピースなどなどジャンプマンガを挙げる方が多いのではないかな、と勝手に思っているのですが、サンデーもアツい作品がいっぱいあるんですよ!
「うしおととら」というマンガをご存知でしょうか。90年代のサンデーを支えた素晴らしい作品であり、私の本棚のお気に入りゾーンを占めているマンガのひとつです。とにかくアツい作品で、登場人物の生き様、散り様はどれも圧巻の一言に尽きます。はっきり言って「絵が汚い」という理由で読まない人は人生損してます。マンガは絵じゃなくて魂ですよ!
その「うしおととら」の作者である藤田和日郎先生は、ご自身でも名作を描き続けているだけでなく、アシスタントを育てることに関しても一流です。「烈火の炎」の安西信行先生、「あいこら」の井上和郎先生、「空色動画」の片山ユキヲ先生、そして「金色のガッシュ!!」の雷句誠先生が藤田組の出身なのです。
ガッシュを読んでいると「藤田イズムを一番色濃く受け継いでいるのは間違いなく雷句先生だな」と思えるシーンがいくつもあります。「うしおととら」に負けないくらいのアツさと感動と面白さが「金色のガッシュ!!」には確かにあるんですよ。
読めばわかるんですが、これまた藤田作品と一緒で読まず嫌いの方が数多くいるに違いないので、そういう人にガッシュの素晴らしさを知ってもらう為に、そして何よりファンの方と「ガッシュ最高だよな!」という気持ちを分かち合いたいが為に今回の記事を書きました。

そんな訳でこのサイトでは、最終巻である33巻の発売を6月18日に控えた「金色のガッシュ!!」を数回に分けて振り返ってみます。
・その1:1〜11巻(今回はここです。)
・その2:12〜17巻(石板編)
・その3:18〜29巻(ファウード編)
・その4:30〜32巻(クリア・ノート編)
最後に「その5」というタイトルではないのですが、33巻の記事を書きます。
本当は1回でまとめてやりたかったんですが、たった1回で何十個もある名シーンを紹介するのは無理だと判断したので分けてやらせてください。

あ、ちなみに現在発生している諸々の問題については触れずに進行していきますので。

では、前置きが長くなりましたがいってみましょう!


-出会い-

WEBサンデーのガッシュのページで第1話が読めるんですが、いつまでリンク先が残っているかわからないので、ここでもちょっと触れてみましょう。

天才であるが故に孤独に生きる少年・清麿の前に全裸で現れたガッシュ。これが2人の出会いのシ−ンでした。誰がこの後、サンデー屈指の名作になると予想できたでしょうかw
しかし、そんな考えは愚かだったと1話を読み終わる頃に気付くのです。
不良の金山(後の友達の金山)が清麿に向かって「お前はいらないんだよ!」と言った直後のガッシュがもうね、最高ですよ。



「これ以上私の友達を侮辱してみろ!!!」

このセリフだけ抜き出してもどうしようもないんですが、全部書くと長いので…
直前に清麿が「(ガッシュの好意に対して)義理でそんなことやられても迷惑なんだよ」というシ−ンがあって「友達がいない」彼の悲しみが描かれているだけに、ここでの叫びはかなり来るものがありました。
今読み返してみても、1話なのにすごい完成度だなぁと感心します。

ちなみに、私はWEBサンデーで第1話を読んでガッシュ購入を決めました。こんなに面白い作品を今まで知らずにいたのか!と衝撃を受けたものです。思えばこれがサンデーを買うきっかけになったんだな…

最初の方の数話は、ガッシュと清麿の絆を深める為に割かれているんですが(長編の間の日常編のような感じ)、ここでの2人のやり取りで気になる部分が。清麿が「あ…あ・・・ありが…」と口ごもって「ありがとう」と言えてないシーン。もしかして作中で清麿がガッシュに「ありがとう」って言ってるシーンって32巻時点でないのでは?おぉ、これは最終回が楽しみです。

すぐ上で「最初の数話が〜」と言ったように、すぐにこの物語の核である「王様を決める戦い」が始まります。またこの設定が秀逸ですね。小さい子供に死闘をさせる→でも子供を殺すのはいけないな→じゃあ「魔界に還る」ことしよう。これだけならまだ「普通だよね」と思えるのですが、終盤になってこの設定が最大限活かされます。「じゃあ還った後はどうなるのか?」という疑問に答えるだけでなく、死亡じゃないことのメリットを上手く使って最終巻では…?うん、もう泣く準備はバッチリですよ。

-友達-

さて、ちょっと話は変わりますが、人にマンガを薦める時って「ここまで我慢して読んでみて」と言うことがよくありませんか?例えば「エアマスター」なら4巻でジュリエッタが出てくるまで、とか、「からくりサーカス」なら3巻までとか。
ガッシュはですね、2巻まで読めばいつの間にかハマってます。
正直言うと伏線回収でガッカリしたことが何回かあったんですが、目の前の問題を丁寧に片付ける事に関しては文句のつけようがありません。
最初の戦闘でガッシュの「力」を自覚させて、そのあり方が原因で清麿とガッシュを決裂させる。ガッシュの力の謎とこの作品の終着点が明かされる。そして、ガッシュを見捨てれば助かると知った清麿がどう動くか。この一連の流れを1エピソードで全部処理しきったのは見事です。

2巻のブラゴ戦は全33巻を通しても5指、下手したら3指に入る名エピソードです。長編マンガの2巻に作中屈指の名シーンがあるマンガってそうそうないんじゃないかなと思うのですが、ここはガチで泣きます。
ガッシュの悲しみを知り、何も言えない清麿。本を捨てろと言ったシェリーに対する清麿の「こいつのおかげでオレは変われた」のセリフ。ボロボロになる清麿を見て「もうこの世界に友達はいないから魔界に還る」と泣きながら言うガッシュに「お前は魔界に還っても一人だ」と追い討ちをかけるブラゴに対して清麿が…
「俺が戦うから…お前と一緒に戦うから…」



「ガッシュ!!!お前は俺の友達だ!!!」

うおおおおお!何回読み返してもここで泣いてしまう。号泣するガッシュと清麿の友達宣言のコンボは卑怯すぎるだろう。しかも良い顔してるシェリーがまたね…
口で言ってもわからないと思うので、気になった方は本屋にダッシュして買ってきてください。立ち読みだと死ねますよw

-やさしい王様-

で、これで2巻は終わって3巻にいきますよー。と普通のマンガならなるんでしょうが、ガッシュは違います。2巻はとにかくヤバいです。戦う覚悟を決めたブラゴ戦に続いて、戦いの嫌いな魔物・コルルとの出会いがガッシュを成長させていきます。
さっき言い忘れてましたが、王様候補の魔物の子供は100人います。
では、その100人全てが「戦いを好む」のでしょうか?答えはノーです。
では"戦わない"魔物はどうなるのか?その答えは簡単です。
"無理矢理戦わせるよう仕向ける"システムがこの戦いには存在していて…
それを知っていたコルルと、知らずに彼女に出会ってしまったガッシュと清麿。もちろん、戦いを避けられるはずもなく…

戦闘後、正気に戻ったコルルの決断は「魔界に還る」ことでした。彼女の気持ちを酌んで涙を流し本を燃やす清麿への「ありがとう」。パートナーへは精一杯の感謝と別れを。そしてガッシュには…



「やさしい王様がいてくれたら…こんな戦いはしなくてよかったのかな…」

彼女に託された意志。それは「やさしい王様」になること。
ここでようやく、ガッシュの王になる為の戦いが始まったと言っていいんじゃないでしょうか。
どうでもいいとは思いますが、またここでも泣きました。

-仲間-

2巻までが凄すぎたせいか、3巻はちょっと勢いが落ちたかな…?と錯覚してしまいますが、話は順調に進んでいますね。3巻ではカレー作りに、フェインとエシュロス、2人の外道との戦い。そしてキャンチョメとの出会いが描かれています。
なんで太字かと言うと、キャンチョメとフォルゴレが好きなんですよ。(聞いてねぇ)
厳密に言うとここではまだ好きじゃないんですが、イギリス編と10巻で完全に虜になりました。イギリス編の最大の見どころはバオウじゃなくてフォルゴレだと思うんだ…!

4巻では戦いが少なめで、ロブノスとの戦い〜ティオ編の間に日常編が数話挿入されていますが、ロブノス戦でゼオンについてちょっと触れられていたり、魔物の数が残り70名になったりと物語は相変わらずスピーディに進行しています。ガッシュの見えない所でも順調に数が減っていってるのは評価すべき点ですよね。(ここまでガッシュが倒したのは6体。知らずに消えていったのは24体。)
ティオ編は何回目かわかりませんがまたしてもウルっときました。しかし、この作品はいい子と悪い子の差が極端だなぁw

-英国-

セッコロが魔物なんじゃないかと終始疑っていたw古城編、バオウ習得とゼオン登場のダルタニアン編(?)、バオウ初披露のヨポポ編、ヤクルトで噴いたフォルゴレ再会編。これらのエピソードが5、6巻の2冊にわたって展開されるのがイギリス編です。
やっぱり今見てもイギリス編の印象は「フォルゴレかっこいい」に尽きます。世界の大スターがたった1人の女の子の為に歌いに行くとか…惚れるぜ。

-成長-

だいぶ長くなってきたので、6巻後半〜9巻は短めにいきます。
ライバルキャラ・ブラゴのパートナーであるシェリーの過去(これは次回の石板編で触れるかも。藤田先生リスペクトのトンネルのくだりはよかった。)、ウマゴン登場、清麿の覚悟がかっこいいVSロップス、単発エピソードの中でもかなり泣けるダニー編ティオのデレがたまらんタッグバトル編、久々の味方キャラ登場のウォンレイ編、まさかのロップス脱落のゼオンVSロップス、そしてガッシュの成長を描いたVSバランシャと、この辺は清麿とガッシュが戦いの中で強くなっていく描写がしばらく続きます。次の展開の鍵となる「石板」についてのエピソードもいくつかありますが…石版で遊ぶ清麿の回は酷すぎるw
中でも重要なのがVSロップスですね。清麿が「ガッシュを王にする」という決意を口にしたのはここが初でしょうか。

-死闘-

ここまでは順調に勝ち進んできたガッシュと、戦わずして生き残ってきたキャンチョメ、この2体の魔物とパートナーにも試練が訪れます。

イギリス編の最後にフォルゴレとはぐれてしまったキャンチョメがその後どうなったのか、というところからキャンチョメの戦いがスタートします。家族を亡くした女の子・ルシカと出会い「僕が守る」と誓ったのも束の間、凶悪な魔物の襲撃に遭い手も足も出ないキャンチョメ。
ルシカの笑顔を取り戻す為に再戦を決意するも、一人になったキャンチョメにはどうすることもできない。そこへ一人の男が現れて問います。
「一人で魔物に勝てるのかい?」と。キャンチョメは答えます。
「できないかもしれない…でも、僕はルシカには笑っていて欲しいんだ!」
と。
そして最後にその男に向かってキャンチョメは言います。
「フォルゴレ…一緒に戦ってくれるかい?」



「もちろんだキャンチョメ!」

フォルゴレかっこいいなチクショウ!
そして、魔物の住み家へと乗り込んだ2人。フォルゴレの身体を張った戦術とキャンチョメの勇気によって勝利し(キャンチョメ初勝利!)、ルシカの笑顔を取り戻すのでした。またこの別れのシーンがいいんだ。キャンチョメがかっこいいんだ。

魔物とパートナーの絆が垣間見れるシーンはたまらないです。ガッシュと清麿、ブラゴとシェリー、この後出てくるバリーとグスタフ、そしてキャンチョメとフォルゴレ、この組み合わせが私的にはベストかな。ウォンレイペアとかも好きなんですけど、この4ペアは群を抜いてアツすぎます。
ガッシュの名場面は?と問われれば多くの人が「魔物の退場シーン」と答えるでしょう。でもですね、こういう所にもいいシーンが隠れているのがガッシュなんですよ!



さて、次はガッシュの死闘です。
前回のバランシャ戦が熾烈だっただけに「今度は強敵が来ても勝てるんじゃないか。キャンチョメも勝ったし」と安心してたところに、今まで登場した中でもかなりの強さを持つバリーが登場します。ただ「戦うことのみ」を求めて戦うバリーと「やさしい王様」になる為に戦うガッシュ。バリーに「何か」を掴んで欲しいグスタフと、ガッシュに「やさしい王様に必要なこと」を伝え、強くなると決意した清麿。4人の思いが交錯するバリー編は今後の戦いの激化を象徴するかのような、まさに死闘でした。
この戦いは見どころが多くて、特に清麿が輝いてます。戦闘前のガッシュの為に全力を尽くす覚悟。序盤戦ではバリーに単身立ち向かうことで、ガッシュに最善の行動をさせるといったように、自分を犠牲にしてもガッシュを王にしたいという想いがこの頃からあったのかもしれませんね。清麿もいつのまにかこんなにアツい男になっていたのか…

戦闘中、一度も優勢になってないというのがまたスゴい。ひたすら苦戦で今までは逆転勝利を呼んできたバオウすらも通用せずガッシュは完全に敗北します。が、ガッシュと清麿の不可解な行動がバリーの中に「何か」を植え付ける結果となり、バリーとパートナーのグスタフはその礼としてガッシュを見逃します。
これがガッシュと清麿にとって初の敗北。「覚悟」を決めた直後の、絶対に負けられない戦いでの敗北。結果的にこの戦いがガッシュと清麿のさらなる成長を誘発するので、いいっちゃいいんですが、「このタイミングで負けさせるか?!」と初読の時は思ったものです。

-予兆-

バリーが去った後、失意のガッシュと清麿の前に「この戦いの全てを知る」と豪語する老人、ナゾナゾ博士が現れます。彼は石板編のキーキャラクターであり、ガッシュと清麿、他の魔物たちを導く存在なんですが、基本ギャグ要員ですwしかし、14巻では…おっと、これは次回書きますね。
ようやっと勝機が見えたガッシュたちの元に現れたのは電波少女のパティ。彼女との戦いを引き金に石板編はスタートします。石板編はですね、もう言葉に表せないくらい最高の展開の連続でして…正直、上手く魅力を伝えられる自信がないんですが精一杯やってみようと思います。では、予告をどうぞ。

カエルの魔物が去り際に口にした「残った魔物を一掃する作戦」、ナゾナゾ博士が言っていた「力を集めつつある悪しき者」、清麿の元から姿を消した謎の石版。
激化を予感させる戦い。そして、この仮面の魔物こそ―



石板から復活せし千年前の魔物達!
王座を巡る戦いに混沌をもたらすロードとの戦いが幕を開ける!!



<ガッシュの成長-共に王を目指す->

この頃のガッシュは自分が王様になるというよりも、仲間と共に王を目指すような言動がよく見られるんですよね。コルルとの出会いによって「やさしい王様になりたい」という目標ができたものの、ティオに向かっては「やさしい王様を目指す魔物が一体でも多くいてほしい」、ウォンレイに向かっても「共にやさしい王様を目指そう」と言っています。清麿もVSロップスでは「ガッシュをやさしい王様にしたい」と言ってますが、ウォンレイ編では「もし俺たちか敗れても〜」と言っているように「絶対に王になる(王にする)」という決意はまだこの時点では明確ではないんですよね。(といってもこの後のバランシャ、バリーとの戦いを通して徐々に決意が固まってくるわけですが。)
「王になる」ことへの強い思いが石板で明確になり、ファウード編では王の資質に清麿の「王になれ」発言と、上手く段階を踏んで「やさしい王様になること」に対しての想いの変化が描かれていますね。
次回の石板編でも「王になること」に関係したセリフを抜き出してあれこれ語ってみます。


さて、全5回のガッシュ完結記念記事がスタートしましたが…くじけそうです。木曜日の最終巻発売までに果たして間に合うんだろうかw(本当はその1は昨日アップして、石板編を今日書こうと思ってたんです。)
いきなりピンチですがw気合い入れて残り4回頑張るので、とりあえず次回の「その2(石板魔物編)」も読んでくれると嬉しいです。では、今回はこの辺でー。

その2に続きます。


 
 
 

コメント

雷句誠先生の次回作にも期待

ガッシュ、良いですよね。自分も大好きです。
特に、最終目的を王様としながら、結果的にそこに辿り着けなくても、そんな自分の行動に満足しているキャラが好きです(バリー・ウマゴン・ウォンレイなど)。
目標を大事にしながら、その目標を捨てても取らなければならない行動が、時にはあることを教えてくれる熱い漫画です。
王様になれなくても満足して魔界に帰った彼らは、100人の目指す目標には辿り着けなかったけれど、自分だけが抱いている、本当の夢を叶える事が出来たのですから。

ガッシュ好きと聞いて思わず書き込んでしまいましたw
はじめまして、3Day―Pといいます。

ガッシュいいですよね〜
私はブックオフで第1話を読んだら即レジに行ってました。
そして2巻で泣かされましたw ブラゴ戦の涙腺破壊力は異常です。

それなのに、2ちゃんねるのオススメ漫画とかで『うしとら』や『からくり』はよく出るのにガッシュが出なくて悲しんでいました。

理由は……人格が単純でその人格になった背景の説明もなかったり、ストーリーをよくよく見返してみると不自然な所(後付けっぽい所やきっかけもなく性格が変わってたりする所)があったりで、漫画通が読むと引っかかる部分が目立つってことなんですかね?

個人的には1〜11巻が好きで、その後の長編3つはイマイチという感想ですが、このブログで新しい視点が見つかれば、と期待して待ってます(*´∀`)

>>「烈火の炎」の安西信行生、「あいこら」の井上和郎先生、

・・・いや、この二人は(略

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