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この世界で生きるために  田村由美「7SEEDS」22巻

「世界を知るのは 誰かと分かち合いたいからだ」

 「7SEEDS」22巻が発売しました。表紙の花が大人っぽ見えて、ひとまわり成長した印象を受けます
 チームでいえば夏Bが1番好きで、今回収録されている分はFlowersで既に読んでいたので「あまりテンションが上がらない新刊だな」と思っていたのですが、通して読むと他の巻や今までの展開に引けを取らずちゃんと面白いじゃないか!ということで反省しました
 ちょいちょいグロさもありつつ、上げて落としてくるのが「7SEEDS」だよなと最初の1話の"お肉"で思い知らされた22巻。二局面ながらしっかりと進んでいるので、その辺を上手く捉えていきたいです


○女の友情

 表紙を見てわかるように、22巻で久々に「春のチーム」の藤子とちさが登場します。本当に久々すぎて覚えていない人もいそうなくらいです。そういう時は最初から読み返しましょう。新しい発見があるのでオススメです
 …とか言ってる場合ではないです。藤子は花をしっかり殴るものだと思っていたのですが、殴り合うタイプの友情ではなかったようで予想が外れてホっとしました(ただし、ちゃんと「殴る」のくだりを回収する田村先生はさすがです)

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 この辺の会話はどれもツボで泣きそうになりながら読んでしまいます。20巻続いていますが、女の友情が深く描かれているのは最近になってようやくという気がしました。この3人も、ここでようやく本当の友達あるいは仲間になれたのかなと。前回一緒にいた時とは比較にならないくらい濃く付き合えてます
 ここで花と藤子,ちさを合流させたのは、前の大きなエピソードで主人公A(どっちかというとB?)のナツが、まつりと友情を深めたことに対比されているのかなと予測しましたがどうなんでしょう。ただ、あっちと違って3人ともガンガン突っ込むタイプなので友情の深め方も違って面白いです。と同時に、まつりが周りに気を使える子なんだなと感心したりして
 もうこの三人は離れないでほしいし、友情もこのまま続いてほしいなと。いいトリオです


○新巻さんとあゆ

 「啓蟄の章」では、新巻さんとあゆの美男美女二人旅も同時進行しています
 「鷹さん」と名前呼びするあゆによって、元々の新巻さんの本質だった「かわいい」部分が出てきて、先駆者としての"新巻鷹弘"ではなく、この世界に生きる1人の男性としての"新巻鷹弘"がようやく出てきて、彼もついに動き出す時が来たのかな?と思える嬉しい変化が起きています。「ちゃんと先に死ねるように」なんて悲しいこと言わないで、きっちり誰かと結ばれて欲しいですから
 可愛い新巻さんモードだと、手を繋ぐことにも照れてしまって、今いる全員の中ではナツに次いで照れ屋なのでは!?と思わされるほどです。新巻さんじゅうにさいかわいいです

 どこかズレている二人の旅は微笑ましい面がありつつ、それでいて互いの内面を成長させているから好きです。特にあゆが人間らしさを獲得していっているのがとても良い。181ページの思わず抱きしめようとするシーンは何度読んでも胸にこみあげてくるものがあって、22巻の中では一番好きなシーンかもしれません

 あゆの成長は見逃せない点ですが、個人的にそれ以上に見逃せない点がありました
それは新巻さんの想う「愛」が語られたことです

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かつて美鶴さんへ抱いた想いは……

 美鶴さんへの想いが「本当の愛」ではなかったことを知った新巻さん
 一度は「好き…だなあ」と心の中で言い、15年経った後も花に対して「美鶴さんより綺麗な人はいないよ」と言ったこともあり、かつ、死亡フラグ(ちゃんと先に~)を立てたこともあり、好きになりそうだったのが彼氏持ちの花だったのもあり、彼はずっとこのまま美鶴さんへの想いを大切に最後まで行くのかもと思っていたんですが、吹っ切っていることが判明。まあ、吹っ切れたかどうかは別問題ですが、少なくとも自分の恋がずっと続く愛ではなかったというのは今回確定してしまったわけで、悲しいけど、新巻さんはしっかり歩いているんだなと感じてしまったのでした
 でも、前向きに動くのはいいことだから、良い変化だと捉えないといけません。新巻さんが本気出したら全員からモテそうだから困る……
 

○今後の展開をちょっと考えてみる

 今回の章「啓蟄の章」はいつにも増して、丁寧に展開されている印象を受けます
本誌で22巻収録分より4話先まで読んでいるので、21巻から準備されていたアレやコレが爆発している瞬間を目の当たりにしている今、
 
 22巻の登場キャラに限定してですが、現在フラグが立っているのは

・鷭に会いに行きたい藤子
・秋ヲと繋がりが見えたちさ
・新巻さんを意識している花
・距離を縮める新巻さんとあゆ
 
 この辺でしょうか。ただ、やはり気になるのは、ちさの発言です

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ほとんどコネらしい

 3回目にしておそらくラストとなる過去編「7SEEDSメンバー選出編」(仮)が始まりそうな雰囲気が、自分の中でかなりしています。全員コネだと言われると、気になってくるキャラがいるというものです
 百舌戸首相,ナツのばーちゃん,草家,etc……未来には来ることができなかったキャラクターで気になる人たちはたくさんいます。こうなってくると蝉丸のオヤジなんかも怪しいです
 そして未だに謎の涼のネックレスなど、もう一度過去編をやる要素はかなり揃ってきています。ひばりが佐渡島に着きそうなので、あと2,3冊のうちに開始されるかも?なんて思っていますが、果たしてどうなるやら


 最後はズレた話になってしまいました。が、今は花と新巻さんがこのエピソードでどうなるか、という所に尽きると思います。先まで読んでいるから答えを知っている部分もあるんですけれど、20巻を超えているだけあって「ただ再会するだけ」じゃ終わらない、ということだけは言っておきましょうか
 23巻は今までに置かれていた布石がかなり効果を発揮して、さらに今後の展開が読みやすくなる、そんな展開なのでコミックスで読むのが今から楽しみです

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全ての金玉に災いあれ! 架神恭介/横田卓馬「戦闘破壊学園ダンゲロス」1巻



「この先ダンゲロス!」 てめえが行こうとしているトコは"魔人"どもの巣窟・・
泣く子も黙る・・っ "戦闘破壊学園ダンゲロス"なんだよ!!


 コミックス発売をずっと待ち望んでいた「ダンゲロス」1巻がついに発売しました!
ずっと待ち望んでいた理由はというと、1つはネット上では既に相当有名な横田卓馬先生の初コミックスだからです。プロデビュー前にネットで公開していた数々の作品は大好きで何度も読みました
 もう1つは既に読んでいた小説版、つまりこの漫画の原作が、かなり面白いと知っていたからです。コミカライズされるとどうなるんだろう、という期待感がありました
 そしてもう1つ。この「ダンゲロス」という作品はThe 男爵ディーノの管理人・かがみさんが考案したゲーム(TRPG)が元になっています。その、TRPGに自分も少しだけ参加していた時期があるからです。どのキャラとは言いませんが、何とこの漫画版「ダンゲロス」にも自分の考えたにn……キャラクターが出ています

 この先ずっと応援していきたい横田先生の初コミックス×好きな原作小説の漫画化×参加していたTRPGに深く関係している×自分の考えた忍j……キャラクターが登場しているという要素が揃い過ぎていて、 自分にとっては奇跡のような作品です。なので、もはや正常に評価することは難しくなっていますけど、期待通りに面白い作品だ!というのは声を大にして言いたいです
 漫画版ダンゲロスは面白い……いや、漫画になってもダンゲロスは面白いです

○限定版を買おう!

 作品の紹介に入る前に

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本編とテイストが違い過ぎて……良い!

 限定版にはポストカードが付いているだけでなく、通常版では読めない8ページの描き下ろしオマケ漫画が読めます
 本編が殺伐としているだけに、こうした日常風景が読めるのはありがたいです。後半はどんどん内容が重くなって笑えなくなるので、1冊読み終わった後に、このオマケ漫画が載っててよかった!と思えます。香魚の笑顔に癒されました
 限定版は通常版と70円しか違わないので、ぜひ限定版をお買い求めください


○どんな話?

 限定版の裏表紙…ではなく、ポストカードにはデカデカと「全ての金玉に災いあれ―!!!!」なんて書いてありますが、そういう漫画ではないです。いや、部分的にはそういう漫画でもあるんですけど。ざっくり言ってしまうと能力バトル漫画です
 ちなみに「金玉」は、あの金玉です

 元は人間だった者が、とあるきっかけから"魔人"に変貌してしまう。それがダンゲロスの世界であり、"魔人"達が学校生活を送っている場所が物語の舞台となる希望崎学園です。学園が舞台になっているからこその「戦闘破壊学園ダンゲロス」なので、学園モノ+能力バトル漫画、ということになりますか
 個人的には恋愛+バトル漫画だと思っているんですけど、1巻だと全然同意してもらえなさそうです。学園といえばラブなので、言ってることあんまり変わんないですけど

 1話と2話で、この作品の根幹となる"魔人"の設定について、実際に覚醒する様子を描きながら紹介し、3話からは希望埼学園がどういう場所なのか、魔人同士の戦いが行われるのは何故かという説明が行われていきます。設定が色々とある作品なのと、1巻ということで説明が多くなっています
 加えて、「能力Aと能力Bがぶつかった場合、どうして能力Aが勝つのか?」というのを合理的に説明しながら戦闘が行われるのが「ダンゲロス」なので、バトルの解説も多いです。その辺が苦にならない人はバッチリ楽しめるんじゃないかなと


○見どころ

 「ダンゲロス」は、能力バトルをしつつ、ちゃんとバトルが面白いです
"魔人"の設定が人並み外れていることから、能力が強力で、必殺技がちゃんと"必ず殺す技"になっています
 そういう能力だからこそ、お互いなかなか決めあぐねるジレンマというのはどうしてもあるんですけど、能力が決まったら誰かが退場するくらいの勢いはあるので、キャラは可哀想ですけど緊張感はかなりあります

20120610-2.jpg  20120610-1.jpg  

 原作を読んだ身としては、数々のバトルが絵で見られるのが楽しみで仕方ないです
前哨戦ともいうべき夜夢VSリンドウの能力発動で既に1人で盛り上がってしまいました。アイツのあの能力は漫画だとどんなに格好良くなるだろうか、と今から期待してしまうのもしょうがないことです

 それと、やはりと言いますか、横田先生の描く女性キャラクターの可愛さは必見だなと
 ヒロインポジションの天音沙希は黒ロン+ニーソ+ミニスカで性格良しと理想の女性像そのものですし(誰の)、そんな彼女が裸……おっと危ない
 1話でメインを張る友釣香魚は何といっても笑顔が可愛いです。おまけ漫画でじっくり堪能できますが、通常版でも下の画像のシーンなんかでバッチリ確認できます。そんな彼女が冒頭で裸……おっと危ない
 あと、胸のでかい口舌院言葉、尻が良い校長先生・黒川メイ、ロリ可愛い転校生・黒鈴などよりどりみどりです。今後、彼女達が野郎どもを差し置いて活躍しまくると思うと、期待せずにはいられません
 ただし、当サイトは

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リンドウ、香魚のこと見すぎである
 
 1巻では数コマしか出ていませんが、左から二番目の一刀両 断(いとり たち)ちゃんを推します。前髪が可愛いです
忍者とくっつかねーかな


○原作を…?

 最期に、小説版(原作)を読んでしまった方がいいのか?という話です
 小説版と読み比べて楽しめる部分もあります―例えば、終盤の1エピソードが漫画版で既に描かれている―が、漫画版から入った人にはコミックスで初めて読んで驚いて欲しいなというのが正直なところです
 というのも、1冊で完結している小説版と違って「つづく」という形を取っていることで、能力や展開を考察できる楽しみがあるからです
 読むとわかるように、キャラクターと一緒に能力名が紹介されています。それを見て、能力名から「コイツが生徒会/番長のキーマンなんじゃないか?」と想像しながら、外見で好きなキャラを決めて、活躍するかドキドキしながら読むと、あっさり退場して悔しい思いをする、なんていうダンゲロス的な楽しみ方をして頂けたらなと
 あと、ちゃんと今後の展開のヒントが上手く散りばめられています。何で主役っぽい両性院を差し置いて、香魚が第1話のメインを張ったのか、とか。キャラ紹介にはいるのに、よく見ると大事なシーンにいないキャラがいる、とか。

 でも、漫画版が完結したら小説もちゃんと新品で買いましょう!(宣伝乙)
 「冒頭で香魚の乗っていた自転車のタイヤが歪んでいた理由は?」「そもそも香魚がああいう状況に陥ったのは?」といった漫画版だと断片的にしか得られない情報の真実が知れるので、ぜひ読んで頂きたいなと
 それと、構成の違いが楽しめるのもあります。詳しくは言いませんが「ある事件」を先送りしてバトルを優先しつつ、謎を引っ張ったのかなり唸らされた変更点です
原作のかがみさんも漫画版にはノータッチということで、もしかしたら意外な展開が待ち受けているのかもしれません

 そしてやはり……

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 この忍者みたいな奴が何故か猛烈に気になります。一体誰が考えた、どういうキャラなんだ……!?

「惑星のさみだれ」 「願い事」と運命の強さの話

 「惑星のさみだれ」を読み返していて気になることがありました
それは2話の冒頭でノイのセリフです

「願いを一つ叶えてやる
お前にはその権利がある。指輪に運命を縛られし者よ

水上悟史「惑星のさみだれ」1巻 28ページ

 最後まで読んでも、作中で「指輪に運命を縛られし者」がどういうことだったのか説明はありませんでした。が、意識して読むと自分なりの答えが見つかった気がするので、つらつらと書いてみることにしました

○「願い事」と指輪

 まず前提から

 雨宮夕日をはじめとする「獣の騎士団」12人と、彼らが守護する「姫」朝日奈さみだれは、魔法使い・アニムスと戦う運命に巻き込まれたことへの対価として「願い事」を1つ叶えてもらえる権利を得ました
 ただし、これだと少し説明不足で、「魔法使いをやっつけて!」という花子の願い、「アカシックレコードを掌握したい」という風巻さんの願いが却下されたことから"精霊・アニマの超能力で何とか出来る範囲で"「願い事」を一つ叶える、というのが正しい説明になりそうです

 指輪については「惑星を砕く物語」への参加を強制される証としての意味以上は果たしていないように見えます。が、初期は指輪のデザインがアップになっていたので、この辺もよく読むと何か推察できることがあるのかもしれません。でも今回はパスします

 直前で書いた通り、指輪の果たす意味は「惑星を砕く物語」への強制参加の証であり、それだけで運命は縛られていますが、"願い事"でも運命が左右されているのは?と思い、少し考えてみました
すると、一定まとまったので「願い事」についてまとめました

○それぞれの「願い事」

 それぞれの「願い事」をまずは箇条書きします

・雨宮夕日:祖父の病気を治す
・朝日奈さみだれ:雨宮夕日との再会
・東雲半月:雨宮夕日へ身体能力,技の継承
・東雲三日月:女の子へあげるパンを出す
・南雲宗一郎:宝くじに当たる(詳細は不明 
・白道八宵:両親が最期を笑って迎える
・風巻豹:掌握領域の特殊強化
・日下部太朗:花子が受けた致命傷ダメージの回復
・宙野花子:凶悪犯罪者の自殺
・星川昴:雪待の幸せ
・月代雪待:昴の幸せ
・茜太陽:アニムスから借りた能力の変換拒否
・秋谷稲近:使用せず

 南雲さんの「願い事」は、個人的には「運気の上昇」と予想しています
お金が欲しいだけならそう願えばいいだけの話ですし、神余さんの応募した懸賞(南雲さん名義で応募)が当たった描写もありましたし

 一見すると法則性はありませんが、「惑星を砕く物語」と絡めるとノイの言った「運命」とやらとの関連性が見えてきます。今度はグループ化してみましょう

・直接、戦いに関連する「願い事」…東雲半月,風巻豹,日下部太朗,茜太陽

 風巻さん。泥人形を生成可能にする特殊能力で、特に終盤は大活躍しました。戦いにおける生存率を考えると運命はプラスに大きく動いています
 太朗。間に入らなかったら即死だったのか、太朗自身にしばらく意識があったので間に入らなくても花子は即死しなかったのかが永遠の謎ですが、無駄死にではありませんでした。生存した花子は最後の戦いでも活躍してます。太朗ではなく花子の運命がプラスに動いた、とも取れますが、"花子の「願い事」を受けて"発生したのが太朗の「願い事」なので太朗自身も運命を操作されてしまってます。プラスかマイナスかは選べませんが
 太陽。個人的に一番シビれた「願い事」です。結果的にアニムスの力を奪うことに成功しました。運命はプラスに動きました
 半月。「願い事」のシステムを知り、夕日とさみだれの企みを察知した時に"技を継承すること"を思いついたしまったのかなと。半月自身のことを考えると(最終巻で明かされた氷雨との関係を考えると)、運命がマイナスの方へ行ってしまっています

 それと「願い事」を使用しなかった師匠(秋谷稲近)ですが、あえてグループ化するならここかなと思っています
「願い事」を使えばまだ生存できることはザンが言っているので"戦闘中に使えたのにあえて使わなかった"とも読み取れる……というのは少し強引でしょうか


・「願い事」によって変化が起きた者…雨宮夕日、朝日奈さみだれ、宙野花子、星川昴、月代雪待

 戦いに何らかの影響が起きた者、とも変換できます。こちらは5名

 夕日。祖父の病気が治り、彼が長く生きられたことが夕日を精神的に成長させるきっかけを生みました。特に大きかったのはバビロン修得につながったことでしょうか。詳しい話はこの辺を見てください。巡り巡って戦いにプラスの影響をかなり与えている特異な例。運命はもちろんプラスに動いています
 さみだれ。夕日との再会≒縁の強化ということで、たぶん騎士の選定条件に大きく影響したはずです。そしてそれはさみだれの運命を救うことにつながりました。当然プラス
 花子。キルの説明不足のせいで唯一、命を奪うことに「願い事」を消費してしまいました。それによって死亡率が上昇したことは作中で語られています。彼女の「願い事」があったからこそ、運命が悪い方へ動くことがある、というのを理解し、半月も分類することができました
 昴と雪待。お互いに相手の幸せを願っています。これって結局は巡って自分の所へ戻ってきている気がします。親友が死んでしまえば幸せとは遠ざかってしまいますから
 

・一見すると関係なさそうで、実は運命が動いていそうな「願い事」…南雲宗一郎、白道八宵

 大人2人
 南雲さん。「運の上昇」と仮定した場合になってしまいますけど、戦闘にも生きてくるのではないかなと
 白道さん。昴,雪待と同じ理論で、娘がある日急に原因不明で死んでしまって、最期を笑って迎えられるのか?という話になるので、多少なりとも本人の運命にプラスの影響があるはず


・運命に何の影響もない「願い事」…東雲三日月

 ここが言いたかっただけです。三日月だけ「見ず知らずの女の子へパンを与える」という全く自分自身に何の影響がない「願い事」の使い方をしています。運命がプラスにもマイナスにも動いていない、つまり、唯一「願い事」に運命を縛られていない者ではないでしょうか
 
 ここで、やっとムーの言いたかったことが理解できました

 「三日月。子供にパンを与えるために命掛けの報酬の願いを使えるあなたは、心も肉体も運命も誰よりも強い

水上悟史「惑星のさみだれ」10巻 148ページ

「惑星のさみだれ」 "ライバル"東雲三日月について
 この更新では「自発的な覚醒が運命の強さの象徴」と言ってます
が、ムーのセリフが、運命を動かしてしまう「願い事」を指していることを考えて、他の騎士たちが「願い事」でどう変わったのかと比較すると、三日月の運命の強さがわかる気がしました。夕日なんて補正受けまくりですから
 つまり、最後に夕日に勝って美味しいところを持っていったのが「運命の強さ」ではなく、「願い事」の力を借りずに自分の力だけで戦い抜き、最後に(運命にプラスの補正を受けた)夕日に勝って美味しいところを持っていったのが「運命の強さ」ということだと解釈しました。今まで思っていたのより三日月が数段すごいという話です

 というわけで、「願い事」と運命の話と見せかけて、少し上に貼った三日月の話を補足する更新でした
 ノイの言った「運命を縛られし者」を"「願い事」で運命を左右されたもの"にすり替えて話してしまったので、縛られるという表現と合致しているか微妙になってしまいました
が、水上作品的に考えると「願い事」で運命の方向性を"自由"から"プラス"もしくは"マイナス"の一方向、もしくは固定された所へ「縛っている」と読み取ると筋が通らなくもない…かな



「惑星のさみだれ」 "ライバル"東雲三日月について

【2010年12月更新の再掲です】

 「惑星のさみだれ」の主人公・雨宮夕日の仲間でありライバルでもある東雲三日月についての話。
9巻時点までだと「ライバル」というポジションで見た場合、イマイチよくわからないキャラクターだったんですが、最後の最後で腑に落ちたので、自分なりにまとめてみます。

○壁として立ちふさがる「ライバル」

「お前が お前の運命が兄貴を殺したんだからな
お前は兄貴より運命的に強い
兄貴より強いお前を越えればいいんだ
兄貴の運命に背中を押されお前は生きた
お前の運命が兄貴を喰ったんだ!! 」

水上悟史「惑星のさみだれ」2巻 199,200ページ

 東雲三日月が「惑星のさみだれ」に登場したのは2巻の終わりです。
彼は、夕日を救う代わりに命を落とした東雲半月の弟であり、超えられなかった兄よりも「運命的に強い」と認めた夕日を標的に定め、また、ヒロインのさみだれに恋をすることで「ライバル」としてのポジションを確立します。
しかし、三日月はまず、戦闘の意思を見せない夕日ではなく南雲に挑みます。

 兄貴よりも「運命的に強い」男が乗り気ではなかったことが大きいとは思うのですが、たぶんこの辺りの三日月は兄を失ったことで動揺していた部分が少なからずあり、また、「強い大人」(≒いなくなった半月の代わり)と戦うことで自分の強さを証明したかった部分もあるのかなと。
(南雲に敗北した後、3巻50ページで「遊びだけど大マジメだっつーの」と言っており、決してふざけていただけではないのがわかる気がする)

 中盤からの夕日が、序盤からは想像もつかない良い笑顔を見せて周りをいい意味で変えていくという本質を見せたように、三日月も中盤からの良い兄貴キャラが本質だったと考えると、序盤の不可解な行動は納得できるのかなというのが今の自分の考えです。
「ライバル」として夕日と対比されているなら、序盤はまだ「子供」であり、未熟な部分を多く露出させていたのは意図的なのでしょう。たぶん。

6巻39話で11体目が半月に化けた時の反応がヒントかな。夕日より先に攻撃を仕掛けています。
 尊敬して止まない兄に化けた泥人形の「顔」を蹴る三日月はどういう想いだったのでしょう。


「あらら。弱っ
(中略)
なーんか、心技体がバラバラっつーか… 」

4巻 138,139ページ

 少しの後に、夕日は天才・半月の武術を継承したのを知り、それがきっかけで三日月と一対一の決闘をしています。
初めての2人の対決は、心技体がバラバラの夕日に、既に「自分の戦い方」を会得している三日月が圧勝するという結果に終わっています。
(ここで三日月は「ゆーくんはゆーくんなんだから」と助言をしており、これが後の7巻の再戦や、VS半月での「でもそれはあなただ。ぼくは~」というセリフからわかるように、夕日にとっての「自分の戦い方」を確立させたきっかけとなっているのが熱いのですが、それはまた別の話。)

 技術、体術は互角なのに、心の部分において夕日は「弱っ」と言われるほど劣っていました。
せっかく三日月がライバルとして出てきてくれたのに、序盤は夕日の方が追いつけていません。
これをきっかけに夕日はどんどん強くなり、三日月もまた強くなっていくのですが、これからしばらくは2人の決闘はあまり描かれません。4巻では他の騎士団の掘り下げに充てられていますし。
 そう、この時点では夕日が弱いため、お互いに高め合う関係ではない「ライバル」ではないんです。
2人とも半月の影を追っているとでも言えばいいのかな。
夕日は見ればわかるし、三日月もライバル認定した辺りでは完全に捉われていますし。
まあ、一緒に酒飲んだりして仲間としての付き合いはかなり多いんですが。


○東雲半月を通じて

 5巻序盤(物語中盤に入った頃?)の三日月の行動は、戦って面白そうな敵の方へ1人で勝手に行く、戦いを「遊び」感覚で行うというようにまだ未熟な部分が抜けていません。
そんな中で

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5巻 68ページ

 半月譲りの「方天戟」を発動させた夕日を見た時に三日月はこのような反応を見せています。
これが後の方天陣のきっかけになっているんですが、この表情を見るに、徐々に強くなる夕日に対して思う所があったのかもしれません。
「ライバル」として夕日を見ているのは、ざっと見た感じ5巻ではここだけでした。

 この後、夕日はアニマ覚醒(さみだれのわずかな変化?)に手を貸しており、自身の精神もさらに一回り大きくなっています。
が、やはり2人の直接的な接触はメシ、飲みであり、戦いを通してのやり取りは少ないように思えます。
幻獣の騎士となった南雲に関心を寄せるという共通点は一応ありましたが、目的の為にどうしても強くならなくてはいけない夕日と、強くなれるだけ強くなることが目的の三日月では、線が交わることはそうそう無いのも当然と言えば当然なのですが。
それに、まだ三日月に対して闘志をむき出しにして来ない夕日は眼中には無いのかもしれません。

「アニキ…こいつぁあんたの発想だろ
ゆーくんを経て、受け取ったぜ!!
戟軍・封天陣ッ!! 」

6巻 80,81ページ

 この技が初登場した戦い(VS9体目)において三日月の戦い方が転機を迎えたように思えます。
利己的な戦い方をしなくなったと言えばいいのかな。
兄が遺した物をようやく受け取り、三日月も夕日のように一回り大きく成長したと解釈できるのかもしれません。

 転機を迎えたのは間違いないんですが、この変化は急すぎないか?というのが疑問でした。
しかし、前回の戦いで南雲の「守る姿」を見ていたことで感化されたと考えたらどうだろう、と書きがながら思いつきました。
これが真実ではなかったとしても、ここでの三日月覚醒で重要な点は、この戦いで日下部太朗の死亡を知る前であることかなと思います。
つまり誰の死をきっかけにするでもなく自発的に変化を迎えたのが、三日月が誰よりも「運命的に強い」ことの証明の一部になっているのかもしれないなと。
「ライバル」の夕日は半月の死がきっかけであったことを考えると、こういう部分でも対比になっているのかも。
(本心は「幻獣の騎士のそーちゃんを助ける俺ってつえー」とか、そんなことだったのかもしれませんが)

 戦い方の変化がわかるのは、9体目再戦時の「おれが切り込んで目を引く。後は任せるぜ(6巻 177ページ)」というセリフなんかを見ると一目瞭然です。
自分が一番活躍しようとする以前の三日月では無くなっています。
ただ、ここは太朗死亡後なので判定としては微妙なんですけど。でも、最初の変化が死亡前に見られたのは夕日と比較する時に重要な要素にはなりそうです。

 という感じで、中盤では夕日と三日月が切磋琢磨する様子はあまり描かれていません。
「獣の騎士団」というコミュニティについて掘り下げるターンであったのが大きいところですが。
2人とも成長しているのはバッチリ伝わってきますし、自分でまとめてみて三日月の運命的な強さが描かれていたのは大きな発見でした。


○二度目の決闘、そして終わる1つの「物語」

「三日月。今週末やろうか」
「何を?」
「決闘。二度目のな」

7巻 35ページ

 三日月の話で、半月の偉大さを改めて知った夕日は二度目の決闘を挑みます。
結論を言ってしまうと、今回は心技体が揃った夕日が勝利するのですが、気になったのは決闘前の以下のシーンです。

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7巻 38ページ

 何度も戦わなくてはいけないと言い、ここで三日月は夕日にとっても「ライバル」になります。
が、もう戦いは大詰め。これからの後、2人が決闘する余裕はなく「惑星を砕く物語」は終了してしまいます。
一体このセリフは何だったのかと。
そして、「ライバル」である三日月がVS夕日に参加すらできなかったのはどういうことなのかと、雑誌掲載時には思ったものです。

 一方、兄貴キャラとしての三日月は7巻以降で不動のものとなります。
昴から好意を寄せられているので、矛盾コンビと一緒にいるのが多くなったことに加え、太陽との接点が増えることで「お兄さん」的な役割をしていることが多くなりました。
作中の言葉を借りるなら「大人」として子供組を一番近い位置から引っ張っています。
夕日と一緒にWヒーローとなるシーンなんかは、序盤の狂気はどこへやらと言った感じです。
戦闘においても、夕日が1対1で半月を倒した一方で、VSでは11体目矛盾コンビとの合体攻撃を編み出す、VSアニムスでは身体を張って子供達の盾になるというように、単体での活躍、特に撃破の役割が回ってきませんでした。

 それと、ライバルであることを念頭に読んだ際に気になったのが以下の点です。
「ライバル」の内訳に「さみだれに惚れた者同士」という項目があり―

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 思いがけず出た一言は夕日が肯定するほどでした。
つまり、夕日と三日月は、さみだれの同じような部分(危うい強さであったり、アンバランスさなのかな)に惹かれています。
それを証明したにも関わらず、さみだれが地球破壊の野望を抱いていることに他の皆と同じように気づいていなかったのが疑問でした。
ライバルなのにそれでいいのかと。
何かパっとしないキャラクターだったなと思ったわけです。
しかし……


○生涯の「ライバル」

 ようやく本題。
「東雲三日月は雨宮夕日のライバルである」と考えた時に、足りていない点があることは見逃せません。
これからも何度も戦い続けると言ったのは何だったのかと。
「殺されてもいい」とまで言いながら、さみだれのことを全く理解できていなかったのは何故なのかと。
しかし、「惑星を砕く物語」が終わり、エピローグに突入した時に、自分は東雲三日月というキャラクターを軽く見ていたことに気が付きました。

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 作品ラストバトルはまさかの「ライバル」の戦い、雨宮夕日VS東雲三日月でした。
三日月が微妙な扱いだったのを受けていたのが気になり、雑誌掲載時から「もう1回くらい活躍が残っていたらいいな」と思ってはいたのですが、最後の最後でこれは予想外であり、この展開を読んだ時に三日月への認識が180度変わりました。
自分の読み方が「惑星を砕く物語」という枠内でしかキャラクターを見れていなかったのだなと。

 また、この戦いの中で三日月はあるキャラから「肉体も心も運命も誰よりも強い」と言われます。
(「運命が強い」というのはこの更新で最初に引用した部分(三日月のセリフ)を受けての言い回しでしょう。こんな所まで拾ってくるのかと驚きはしたんですが、それはまあいいです。)
このセリフを受けて少し話を遡り、VS夕日の1シーンを見てみます。
アニムス戦で大ダメージを受けて既に戦えなくなった三日月が、夕日を阻止せんとする南雲と白道さんを見て言ったセリフがこちら。

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さみだれは視界に入っていない

 ここで三日月が言ったのは「夕日(と姫)を止めるのは自分でありたかった」というものでした。
(「あそこにいたかった」と言い、見ている先に姫はいない=姫の側に付きたいとは全く考えていない)
たとえ姫に惚れていても、あくまで「止める側でありたい」と思えるのが三日月の強さなのだなと。
「楽しそう」と言っているので、夕日と戦うのは自分であるとも受け取れるんですが、これは三日月の心(あるいは運命)の強さを象徴したシーンの1つなのではないかと解釈しました。
上手くは言い表せないんですが、主人公、ヒロインに次ぐ3番目のポジションにいる味方キャラクターが、ここまで真っ直ぐな奴でよかったとかそんな感じです。

そして、戦いの結末や、(何気に「フェイントに弱い夕日」の伏線を拾っていたりする。夕日の戦闘スタイルである「思考」の隙を突いたとも言えますが)
最終回で明かされた「対戦成績」まで見ると、三日月は「惑星を砕く物語」におけるライバルキャラではなく、雨宮夕日の人生におけるライバルであるんだなということがわかるわけです。
「何度も戦う必要がある」と言ったのは人生単位の話で、別に1つの大きな戦いの中に限った話ではなかったのだなと。
この2人の「生涯のライバル」の関係があることで、最終話の「ぼくらの人生は続いている」というモノローグの説得力が段違いだと思いますし。
(「これが無かったら説得力が無いのか」と言われれば、そんなことはないんですけど)

 多くの伏線回収がある「惑星のさみだれ」の中で、(連載中ずっと気になっていたのもあって)この2点の繋げ方が一番印象に残っています。
「何度も戦う必要がある」と事前に言ったくせに肩透かしだと思われたのが、実はそれが「これからの物語」における要素だったのが意外であり、こんな繋げ方があるのかと感心しました。
もっと言うと、この点が引っ掛かったからこそ、自分は最後の最後で三日月を大好きになれたんだと思います。


 長々と書いてきて言いたかったのは三日月が大好きになりましたということです。
(この気持ちのまま最終話読み返したら、髪型で連想させる人物がいて、更に好きになりました。)
ラスト数話で三日月は自分の中では、ライバルとしてこの上ないキャラになりました。
「惑星のさみだれ」が終わっても彼らの人生は続いていくんだなと思わされる最終回だったんですが、それ以前の描写も含めて考えると、東雲三日月が作中で一番それを体現してくれているのではないかなと。
物語ではなく人生のライバル。東雲三日月は素晴らしいキャラクターであると断言します。

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