スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「保健室の死神」 三途川先生が波動拳を撃ちたいわけ


 「保健室の死神」のちょっとした話。
2巻のWising編でこんなシーンがありました。

2011033-2.jpg

かめはめ…波動拳!?

 ジャンプ的には「かめはめ波」の方がよかったんじゃないか、という感想を当時いくつも見かけたことを覚えています。が、本題はそこではありません。なんで三途川先生は波動拳を撃ちたがっていたのか。
画像では一見ふざけているように見えるんですけど、真相は別の所にありました。
先ほどの画像の波動拳のシーンは「Wishing」という、本人の望んだ夢を見せるシステムの中での出来事です。
その管理者が言うに、三途川先生は

2011032.jpg

 「圧倒的な力」を欲しているそうです。
別に波動拳でなくてもいいから、圧倒的な力があれば彼女の望みは叶うらしいとのこと。じゃあ、圧倒的な力で何をするのか?答えは決まっています。圧倒的な力があれば、教え子のハデス先生が戦わずに済むからです。

 同じことを考えている人は他にもいました。こっちは、考えているというか実行までしちゃいました。
ハデス先生の友人のひとり、経一です。彼は、自分の身体に思念体を取り込む「魔煙草」を開発してもらい、使用するのですが、その時に自身が言ったのがこのセリフです。

2011031.jpg

パワー=力ということで

 またしても「圧倒的な力」です
ワケわかんねー力をねじ伏せるためには有無を言わさないパワーが必要である、というのが欲した理由。
予想外の能力を持つ病魔を倒すために必要なものは、三途川先生も経一も考えが一致していて、やっぱりそれはハデス先生のためです。そこまで考えると、2巻でギャグっぽく描かれた「波動拳」からの「圧倒的な力」のくだりは意外と深かったんだなと、8巻まで読んでみて気付いたのでした。
 
 ただ、9巻で明らかになるように、経一が使う「魔煙草」はリスクを伴う、結局はハデス先生の力と似たようなものでした。
三途川先生が経一のような邪法に手を出せないのは、先生として教え子に示しがつかないというか、ハデス先生も頑固なので、病魔の力やそれに類するもので自分が助けられたら納得してもらえないからなんだろうなと。
こういう所まで考えたら、この作品では「大人の葛藤」がしっかり描かれているなとまた感心が強まりました。
9巻の嬉し泣きとか、ハデス先生の他の人に頼られたくない所とか、経一と鈍のハデス先生への想いとか、すごく好きです。

 ハデス先生は良い人たちに囲まれているなとこういう発見をするたびに思います。
残念ながら作品は打ち切りで終了ということになってしまったようですが、ハッピーエンドで終わってますようにと祈るばかりです。10巻が楽しみ。


スポンサーサイト

「絶対可憐チルドレン」 これも1つの伏線回収ですよ

【2010年10月更新の再掲です】

「絶対可憐チルドレン」から、23巻でちょっとだけ描かれた小ネタの話。
この巻の冒頭に収録された4話編成のエピソード「ロスト・ガイズ」での一幕。
極限状態に陥った皆本と賢木が珍しく本気で言い合いをする、というシーンがあります。

101020-2.jpg

(椎名高志「絶対可憐チルドレン」 23巻 73ページ)

 直前のコマで皆本が自分のことを「俺」と呼んでいるのが異常なテンションである何よりの証明で、本当はそこまで気にしていないことなんだろうなとは思うんですが、あえてこのシーンにちょっと踏み入ります。
(皆本は普段、自分のことを「僕」と呼ぶ)

【余談】
絵だけじゃなくてこういう部分で心理状態を見せる椎名先生が凄いと思ってしまいます。
さっき読み返していてやっと気づいたんですけど、兵部が自分を「少佐」と呼ばせている、あるいは「少佐」と呼ばれるのを禁じていないのは、憎悪の対象である「軍属だった自分」の過去をやはりどこかで捨てきれないからなんだな、ということに気が付きました。
何だ、未練あるのか。凄く人間くさいじゃないかと。
それでやはりパンドラが好きになるわけですが、余談の余談になるのでやめます。
カガリとカズラが頻繁に出るようになってから更に好きになってます。

 閑話休題。
賢木の奔放さが自分には無い部分で、そういう所を尊敬あるいは羨むことで親友として上手くやっていけているのかな、という風に読んでいただけに皆本の本音(というか、少しだけそう思っていたこと?)が意外なものでした。
事実、前に賢木の下半身のだらしなさが証明されたシーンでは尊敬すらしていましたから。

101020-3.jpg

(18巻 27ページ)

 皆本は「……マメだなー、お前……」と評し、賢木の女性に対する対応を褒めています。
しかし、23巻を読んだ後だと三点リーダ2つ(点6つ分)の沈黙が意味を持ってくる気がしませんか。
この一瞬の間が「ロスト・ガイズ」で訪れた極限状態で思わず洩れたの本音なのではないかなと。
ここでも「また別の女性を…」と、賢木(の下半身)への疑い(?)がまっ先に浮かんだけど、直後にフォローの言葉も浮かんで口にしたと。
これぞ伏線回収ですよ。素晴らしい。
(たぶん、皆本にとってはどっちも本音なんでしょうけど。)

 あの時点で「だらしない下半身」が気になってたのなら、避けて通れない衝突だったのでしょう。
この時は紫穂が賢木を視た(=サイコメトリーした)ので皆本に触れることはありませんでしたが、皆本の心を視ていたら「皆本さんも賢木センセのことだらしないと思ってる」なんて言われて喧嘩が前倒しになっていた可能性が大いにありえたわけです。
紫穂は賢木のことが(気が合わない程度ですが)嫌いなので、皆本を味方に付けようとするでしょうから。
そういう意味では「予知を先に実現すれば未来を変える事ができる」のをこれ以前の作中で証明していた絶チルらしいシーンと言えるかな。

 ここで言っていれば「実は賢木の下半身のだらしなさを疑問視していた皆本」は存在しなかったから喧嘩にならなかったかもしれない。
逆に、ここで言わなかったことで「ロスト・ガイズ」で「あの時も言ったけど~」みたいな展開にならずに済んで、本来2回発生するはずの喧嘩が1回に収まった可能性もあるわけです。
そう考えるとこのシーンはかなり深い……のか?

 あと気になったことと言えば
23巻冒頭の「さぷりめんと」で「勝負パンツがわからない組」に属し、疑問を抱いてた葵が

101020-1.jpg

(23巻 122ページ)

 6話後の本編の1シーンで何となく察しているように見えるのが気になります。
(あるいは、ここで「勝負」について察したのかもしれません)
「さぷりめんと」の例の話の後に「勝負パンツ」でググったんでしょうか。
女性キャラでは圧倒的に紫穂派なんですが、その光景を想像すると葵もいいなと思ってしまいました。
「身長とか(=胸意外の部分が)が成長してる」みたいなことを自分で言ってたけど、「とか」はそういうことだったのか……

 という感じで、ギャグ系のネタなら「さぷりめんと」と本編の間でネタを出したりを拾ったりの関係は今まで何度もありましたが、今回の前半で取り上げた本編間でのギャグ系のネタの長いパスは意外と少ないのではないでしょうか。
「ギャグ系のネタなら」と言ったように、シリアスネタなら本編で頻繁にロングパスしてますが。
あるキャラクター関連の要素を拾う為に読み返した時に偶然気づいただけなので、探せばもっと色々仕込んでありそうなので再読する楽しみが増えました。


「イレブンソウル」 乃木隊長のチップの在処を予想してみる

 今回は「イレブンソウル」の話。
6巻くらいから盛り上がってきて、10巻のウルスラグナ戦でいよいよ万人にお勧めできる作品になったかなと思うのですが、作品紹介もせずにいきなり既読者向けの話です。気になる人は読んでください。
マッグガーデンの公式通販で買える、サイン本付きの第1部7冊セットがオススメです。

 今回は、死刑囚で構成された5番隊を束ねるナイスガイ・乃木源之丞の話。
乃木隊長と言えば、気になるのが1部から2部での見た目の変化です。
死刑囚である乃木隊長の脳にはチップが埋め込まれていて、その傷が1部の時から特徴的でした。

2011028.jpg

1部の乃木隊長

 うん、カッコいいです。
さて2部ではどうなったというと――

2011027.jpg

2部の乃木隊長

みょうにふくらんでいるー!(傷が)
 なんですかこの突っ込んでくださいと言わんばかりの傷の広がりは。
どうみてもチップの場所だろこれ!摘出しただろ!

 と、突っ込んではみたものの、チップの摘出は可能なんでしょうか。また、摘出できてもバレてしまうのではないでしょうか。
ここで1巻でのチップの説明(by鉄ちゃん)を見てみましょう。
 「警告アラームだよ…。5番隊の死刑囚達は一定の自由を得るかわりに…脳に特殊なチップを埋め込んで脳波を監視されているんだ。極度の怒りや殺意とか異常な感情が確認されるとああいう音が出るんだよ…戦闘中以外は…」

 戦闘中は鳴らない、これは重要な情報です。つまり、戦闘中にチップを抜き出す余裕がならば摘出自体はそう難しくなさそうです。かなり痛そうですが。

 しかし、どうにもできないのは脳波です。脳に埋め込んでいないことがバレたら摘出しても意味がありません。どこかにチップを……と、ここで気付いたのが乃木隊長の近くにいた犬の存在。

2011029.jpg

傷が多い犬

 乃木隊長曰く「最近この辺りに住み着いたらしい野良犬」とのこと。ここでの最近とは、たけちーが侍所に入って間もない頃、ということになります。
が、本当にこの犬は野良犬なのでしょうか。気になるのが乃木隊長のロッカーの写真です

2011026.jpg

もしかして同じ犬?

 「乃木隊長は犬が好き」で済めばいいのですが、もしこの写真の犬が飼い犬だとして、あの犬であるとしたら、たけちーに嘘を吐いていることになります。「知らない犬だ」と。俺には関係がないと。
 でも、本当は関係があるとしたら?と思うと10巻のあるコマが気になりました。

2011025.jpg

 あの犬がいます。野良犬のはずなのに何で戦場に連れてきているのか。怪しいです。
しかも傷の位置が変わっています。もしかして、チップは犬に移植されているということがありえるのでは。
 こういう仮説はどうでしょう。
5番隊に犬(チップ入)を預けている=乃木隊長は常に5番隊に居ると監視員に錯覚させながら、自由に行動ができる。
これで、2章での不可解な自由行動に一応の理由ができます。なぜ伝言役として暗躍できたのか、それは犬が脳波を出し、乃木隊長が5番隊にいると錯覚させていたから。どうですかこれ!

 予想まとめ:乃木隊長はチップを犬に移植している

……でもこの説が真実なら、乃木隊長は犬の命を弄んでいることにもなるわけであんまり嬉しくないです。優しい乃木隊長が好きなので、この説は外れていると思います。
ただ、あの写真に収めることで綺麗な姿を残してあげて、一緒に戦ってもらうつもりでいる、とかならまだ……いや、どうだろう。
しかもこの説が成立してるとしたら、侍所の監視員がザルになっていまいますし(人間と犬の脳波も見分けられないのか、とか、脳波パターンが変化したのに気付かないのか、とか)。
いおりんが監視システムをハックしているとか、監視員を買収しているとか、その辺が妥当なのかな。でも後者なら……と話がいつまでも続くのでこの辺で終わります。
早く謎が明かされる日が来るといいな。

「なにかもちがってますか」 「殺す」と「コロす」

20110023.jpg 

 表情と発言が違う、というのは漫画ならではの表現の1つであると思っています。
満腹じゃないのに「満腹だぁ」と言ってしまうマサルさんが真っ先に思い浮かんだので貼りましたが、探せば他にも色々あるはず。怒っているのに顔は平静を保っている、とか、照れて顔が真っ赤なのに言葉では嬉しくないフリをしている、とか。1つの作品にそういうシーンが無いほうが珍しいかもしれません。
 「漫画ならでは」と言ったのは、音が無いのに言葉が見えるから、そして表情が描かれているからです。
そんな、漫画ならではのシーンを「なにかもちがってますか」から1つ紹介。

2011024.jpg

 ここで共通しているのは「ころす」という言葉。
片方は「殺す」と言い、もう片方は「コロす」と言っています。
右のコマ「殺す」と言った一社くん(下に貼ってある表紙の少年)と、左のコマ「コロす」と言ったカメさん、この2人が今この瞬間にケンカしたら勝つのはカメさんでしょう。(もし一社くんが凶器を持っていたら、彼はほぼ間違いなく凶器を使うのでまた別の話になってしまいますが、)この言い合いから即座に殴りあいになって、それこそ「ころす」レベルまで行ってしまえば、殺されてしまうのは一社くんでしょう。
 
 しかし、一社くんの殺意は確かで「殺す」つもりで発言をしています。この後も彼は殺意を口にしていることから、本気であることが窺えます。
一方のカメさんは「コロす」であり、殺意は籠っていません。口の悪い子供がはずみで言ってしまうような、そんな程度の意味しかないのです。
もっと言ってしまえば、売り言葉に買い言葉であり、一社くんが「殺す」と言わなければ、カメさんはきっと「コロす」言わなかったでしょう。それくらい意味のない言葉です。「コロ」に漢字が当てはめることができないくらい、何の意味もない言葉です。
 このように2人の言葉から殺意の有無がはっきりと見て取れるわけですが、実際は=作中のキャラクターにはどう見えたでしょう。きっと、カメさんの方が「殺す」という言葉に真実味があるように見えたのではないでしょうか。
 
 では、なぜカメさんに殺意があるように見えるのか。このシーンが「漫画ならでは」であることと絡めて、もう少し説明します。
例えば、このシーンに音声が乗ると仮定します。おそらく語気が強い方はカメさんであり、また、客観的に見て「殺す」という言葉が本気に見えるのもカメさんでしょう。彼の方が力が強いのだし、言い方にも力が籠っているのですから。
 でも事実は、カメさんの「コロす」はただの脅し文句であり、一社くんの「殺す」は明確な殺意を持って放たれているのです。このシーンを漫画以外で、作中キャラにはカメさんの方が強そうに、しかし読者だけには真実がわかるように表現する方法って思いつかないです。

 漫画すごいなと改めて思わされた2コマでした。



・関連:鬼頭莫宏「なにかもちがってますか」1巻
1巻の感想?です

鬼頭莫宏「なにかもちがってますか」1巻

「一社くんの言ってること何となくわからなくもない気がするけど なにかまちがってると思う」

 これぞ鬼頭先生の本分。非日常的な力を得た少年と、その力を使って世の中を正そうとする少年の"間違った"物語「なにもちがってますか」1巻。危険な力を手にして、中学生くらいの不安定な少年少女が力に陶酔し、翻弄されるというのはいつものことですが、今回は破滅に向かう物語のような気がして今から恐ろしいです。しかし、惹きこまれてしまうのがそれこそ鬼頭作品の恐ろしさであり、魅力でもあるのだなとこの作品を読んで再認識しました。

 作品のタイトル「なにかもちがってますか」とは、主役2人の行動が間違っていることを"もちがって"いるというように表しています。少しだけネタバレをすると、主人公の能力がたった一文字の"入れ替え"と結びつきが強いので読み終わってみると「そういうことなのか」と思わずにはいられない"巧いタイトル"であるなと。
 それと関連して、サブタイトルの"入れ替え"は見事です。3話と6話はサブタイトルの中だけで交換が成立していて、特に6話「雨降って死がたまる」は濁点の交換でとんでもなく恐ろしい言葉に変化しており、まるで、わずかな力にも危険が孕まれていることを象徴しているようです。
 他のサブタイトルも似た文字への変化であったり、同じ行内での変化であったり、同じ音(例えばア音からア音への変化)であったりと、割と予想しやすいものになっているので、何がどう変化したのかを考えるのもまた一興かなと。それに、2巻以降のサブタイトルのどこかと交換になっているかもしれない(エピソード的にも対比になっているかもしれない)と予想しているので、どこでパスが発生しているかも気になります。
 ただ、文字通り元の文字と交換になっている可能性の方が高くて(というか作中の能力に則るならこれ以外ありえない)、「なにかもちがってますか」の"も"と交換になっているのは、そのまま"ま"になりそうな。というのも、「なにかまちがってると思う」と日比野が言っているのを見て、「なにか間違ってますか?」に対する「そう思います」であるのかなと思えたからです。
 ここまで書いて気になったんですが「なにかもちがってますか」は誰に対する誰の問いかけなのでしょう。主役2人ともの言葉だとして、一社は最後まで進んだ時に己を反省するんだろうかという疑問が……。

 日常にはそぐわない間違った"力"を持つ日比野光が、間違った"心"を持つ一社高蔵に出会うことで、そそのかされて力を使ってしまい後戻りできない泥沼へ――とはならないのがこの作品。そそのかされはしますが、日比野が最大の間違いを犯すのが自分の過失であることから、一社の心の歪みを真っ向から否定できない、という展開は気付いた時にはゾッとしました。「君のせいで」と押し付けられないから最終的にどうなろうとも、日比野が最初に犯した"間違い"はどうあがいても日比野の間違いでしかないというのは残酷です。
 力と心は主役2人で分担をしているのに、力を向けるのが心が間違っている方の責任で無いというのは……何と言うかバッドエンド前提なんじゃないかなと。
 一社の言動の異常さだけが際立っているような気もしますが、彼は間違った"心"があるけれど全く"力"を持っていません。それに対し、日比野は間違った"力"を持っているのに加え、人間なら誰しも持っている"心"があるせいで、間違った心に変化し得る危険性があるため、個人的には日比野の行く末の方が心配です。何と言っても、鬼頭先生が中学生の心の不安定さを上手く描き出しているだけあって、1巻の時点で日比野の不安定さがしっかり伝わってきますから。
 とは言え、一社も心配です。「法律やルールを守れないやつが問題なんだ」というようなことを言っていますが、じゃあ「人を殺してはいけません」という法律を破ろうとしているお前はどうなんだ?となるので、結局は破滅しか待っていないんじゃないかと。人を殺すのが動機で強大な力をはじめから振るう作品は初なので、ある程度救われる要素のあるバッドエンドにすらならない気が……。
 で、何でバッドエンドが嫌だ怖いと言っているかというと、3話のラストのように2人共に愛嬌もちゃんとあるからです。特に、一社は大人びていて嫌な奴なのに子供っぽい一面を持っているのがここでわかってしまったので、酷い思想を持っている奴だ、なら最後は酷い目にあってしまえとは、既に自分の中では思えなくなっています。鬼頭先生のキャラクター作りって好かれるためというよりは必然性を持ってやっていると解釈しているんですが(だからこそ生々しいキャラが多い)、それでも憎めない部分が出来てしまって、まだどうなるかは全くわからないんですが、先のことを考えると辛いものがあります。

 あと、あんまり突っ込んだ予想ができる要素がまだないんですけど、チヅ的なアレで鶴里さんがどうも信用できません。日比野を利用するような気がしないでもないです。一社にナイフが向いてる時の冷静な顔が非日常側な気がするというのが唯一の根拠かな…?
 能力者が他にいるとしたら、彼女が第一候補になるのかなとかあきらかに思考があさっての方向へ飛躍しています。だって、鬼頭作品で清楚っぽい女の子が清楚で普通だったことってほとんど無いんだもの。

 2巻で話がどう膨らんでいくのか、特に超能力を持っているのが日比野だけなのかという点が気になりつつ、この破滅に向かう物語を恐れながらも楽しんでいきたいです。「のりりん」とは違うタイプの鬼頭作品で、オススメはしにくいですが、最初にも言ったようにハマった時の惹きつけられる度合いはかなり高いのではないかなと。

「ぼくらの」 マチ編の隠喩の話

「ぼくらの」より、マチ編(の鬼頭先生)はこれまでの行動との対比をすると残酷だな…という話。

2011004.jpg

「だからお兄ちゃん、最高のサポートをしてね。」
(「ぼくらの」鬼頭莫宏 10巻/27ページ)

 まずは「最高のサポート」の話。これはセリフというより絵のリンクの話になるんですが。
あんまり詳しく話すと酷いネタバレになるので言いませんけど、結果としてコエムシがマチに対して行った行動=「最高のサポート」はこの構図の真逆だよね、という話。どういう風に実行したのかしばらく悩んでいたんですけど、何回か読み返して気づきました。このコマみたいにキュッとしたのでしょう。

 未読でネタバレ踏んでもいいやって人のために反転ネタバレでもう少し詳しい話を書くと↓
画像のマチという女の子は、搭乗すると必ず死に、乗らないで時間経過するor負けると地球が滅亡する迷惑ロボット・ジアースのパイロットとなる順番がまわってきています。が、マチはこのエピソードの終盤で戦えない状態になってしまい、このままでは時間経過で地球が滅亡するため、実の兄であるコエムシ(キュッてされてる方)が手を下すしかないという状況になります。そこでコエムシがマチのことをどう「サポート」したのか、という話でした。つまり、マチの命を奪う時にどのような方法を取ったか間接的に描かれている、ということになるんですね。予想が当たっていれば、ですが。
(反転ここまで)

 これで済めばいいんですが、マチ編でもう1つだけ嫌な暗喩を見つけたので紹介。
ジアースの1人目のパイロット・ワクの家を訪れることにしたマチとウシロのインターホンの前でのやり取り。

2011006.jpg

「あんたが押しなよ、ウシロ。」
(「ぼくらの」鬼頭莫宏 10巻/50ページ)

 ここでは、インターホンを「押す」という行為をウシロがやるように言われます。
1巻の話なので言ってしまいますけど、ワクはウシロが「押す」ことで海に落下しています。実は、ワクは命が失われたことでウシロの「押す」行動に対して何もできずにそのまま落下したのですが、まだ序盤でジアースのルール(搭乗=死亡)を把握してない頃に起きてしまった出来事だったため、ウシロが落としたせいでは?と思われていた時期もあったんです。
そういう頃の嫌な思い出があるのに、ワクの家を使って「押す」行動をもう1回ウシロにやらせようと仕向けた鬼頭先生…恐ろしいです。
深読みしすぎだろと言われるかもしれませんが、事実、ウシロは

2011005.jpg

(「ぼくらの」鬼頭莫宏 10巻/51ページ)

 押す前に何か考えているようにも見えます。それも、1回は引き受けようとしたにも関わらず、この後に断るんです。で、その後のマチの「罪悪感抱えてると思って優しく言ってあげた」というのがまた酷い。罪悪感抱えてるからワクに関係するものを「押す」行為をためらったというのに!と思わずにはいられません。
が、それと同時に、よくここまで仕込んでくるなとも思わずにはいられません。「ぼくらの」凄いです。大好きです。

「惑星のさみだれ」 夕日の成長と掌握領域の関係(3)ノイの幻獣化

「惑星のさみだれ」 夕日の成長と掌握領域の関係(1)方天戟
「惑星のさみだれ」 夕日の成長と掌握領域の関係(2)バビロン

 夕日の成長と能力パワーアップの話もこれで最後になります。
続きものになっていますので、ぜひ前の2回を読んでからこれを読んでください。

 最後は10巻のVS朝日奈さみだれで発現した、ノイが黒龍(インビジブル)になった=幻獣化した現象についてです。
まずは能力原理の説明。獣の騎士団の騎士を幻獣化させる能力は精霊(プリンセス)・アニマが所有しています。おそらく彼女の持つ力の一端を分け与えるというもの、のはず。作中では詳しく説明されていないのですが、各段にパワーアップしているのは間違いないです。
幻獣は霊馬(ユニコーン)、黒龍(インビジブル)、神鳥(フレスベルグ)の三匹であり、「幻獣の三騎士」という呼称から、アニマが力を与える限界が最大三匹ということだったのでしょう。これもたぶんですが。
 
 しかし、夕日はさみだれとの対決において、アニマの力を借りずにノイを幻獣化させることに成功します。
本人が驚いていることから、意識的に獲得した能力ではないものの、今までの原理からいくとどこかで条件を達成したから発現した、と見ることができます。
条件を再確認すると、
1)身体的に強くなっていること
2)強烈な体験を経るだけでなく、それを消化して精神的に成長を遂げること
の2点です。
1点目は幻獣の騎士2人(南雲と白道さん)に1人で挑んで勝利していることで達成していると言えます。また、バビロン習得が祖父との和解を契機とするなら、あの半月にもタイマンで勝利しているのも強さの指針になるでしょう。
 2点目の精神的な成長ですが、これは単純に

2011020.jpg

 さみだれへの想いと、自分が止めるという意志を示したこと、これに尽きます。
どちらも口にしたのは初めてのはずなので(さみだれを「あの子」として=女の子として好きと言ったのはたぶん初めて。魔王を愛しているとは言っていますが。)、この明確な意思表示は、夕日が「惑星を砕く物語」とさみだれへの様々な想いをしっかりと纏めた瞬間、つまり自分の中で消化して立ち向かう決意を完全に固めた瞬間なのかなと。

 この2点をクリアし、夕日はノイを黒龍にランクアップさせることに成功します。
方天戟やバビロンと同じで、対象となる相手の能力(もしくは特性)を自分の力に上手く変換しています。ただ、さみだれの持つ力=アニマの持つ力になるか、というと少々強引ではありますが。

 もう少しだけ。力の象徴"魔王さみだれのマント"と絡めて、実はもう少し前に条件を達成していたのでは?という話。

 夕日はブルース起動時にマントを自分の力として身に纏っています。
このシーンでマントが出ているのを見ると、ブルース起動の時点で既に夕日はノイの黒龍化が可能だったのではないかと思ってしまいました。強さも半月を倒していることから申し分ないですし。
ただ、さみだれ戦でふっ飛ばされてからマントを黒龍化のエネルギーに変換してようやく効力を発揮したとも取れるので、あまり説得力はないですけど。未来の夕日(の心)がマント化しているので、前借りしている可能性もあるのかな、とか。
 ただ、実はそれよりもっと前、8巻の口絵で

2011022.jpg

 フル装備の夕日が描かれているんですよね。ブルース起動よりもっと前、それこそ祖父を許して半月を超えた時点=バビロン完成後すぐに黒龍化の条件は整っていたのかも。
この通りなら、祖父を許せたこと(自分の心が戦いを通して救われたこと)で、さみだれの心も変えられるとこの時点で確信したということなのかな。
どのタイミングで夕日がさみだれを止めると決意したかはまだわかっていないので、確信的なことが書けなくて申し訳ないです。

 最後になります。
今まで紹介してきた3つの能力獲得の布石が置かれた時(縁が発生した時)と、成長イベントの順番が、黒龍化する時の描写と合せて考えると面白いという話。
時系列順に並べると
1:幼い夕日、さみだれと出会う(さみだれの願いにより縁が発生)【黒龍化・布石】
2:夕日の父が死亡。祖父が激変し、夕日に"呪い"をかける【バビロン・布石】
3:半月が死亡。夕日のトラウマになる【方天戟・布石】
4:白道を救うため(ノイの願いを叶えるため)、半月の死を乗り越える【方天戟・獲得条件達成】
5:精神が大きく成長したことで"呪い"をかけた祖父を許す【バビロン・獲得条件達成】
6:さみだれを止める意志を示す【黒龍化・獲得条件達成】
こうなります。
方天戟バビロン黒龍化と、布石の置かれたのが遅い順番から条件を満たして能力を獲得しています。
 黒龍化の際の描写を見てみると

2011021.jpg

 方天戟、鎖、マントの全部を纏めて力に変換しています。
つまり、黒龍化=一番最初の縁を上手く消化したことによって、全部が夕日の力になったと読み取れるのではないでしょうか。
こうして全ての経験を自分の力に変えた雨宮夕日が言う「大人になった」は説得力があるなと、今回の更新をしてみて改めて思うのでした。
 
 バビロンの能力が鎖と似ていること、それとこの条件発生順と獲得順との関係が面白いなということで順番に紹介してみました。
3つ合わせるとだいぶ長くなりましたが、これにて終わります。


「惑星のさみだれ」 夕日の成長と掌握領域の関係(2)バビロン

「惑星のさみだれ」 夕日の成長と掌握領域の関係(1)方天戟

 この話の続きです。今回のバビロン編が書きたくて始めた話なので、さみだれ好きな人に面白いと思ってもらえれば嬉しいです。

 まずは能力の説明をしておきましょう。今回の更新タイトル等ではバビロンと略していますが、正式名称は掌握空域「天の庭(バビロン)」。
夕日自身による説明をそのまま引用します。
薄く広げた掌握領域の球で自分を包み、自己運動性能の加速強化補助と、他者の運動妨害を同時に行う。自分がどう動きどう補助するか、相手の運動をどう邪魔するか、一瞬たりとも考えることを止めては使えない能力!!
とのこと。まとめてしまうと自分が強くなって相手が弱くなる空間を作る能力みたいな感じです。
今回の更新は、このバビロンが実は作中のある要素と関係した能力であることに気付いたという話。

 前回の更新の後半で、次に夕日が獲得する能力は"鎖"と関係があるという話をしました。
「惑星のさみだれ」という作品、とりわけ雨宮夕日と鎖は切っても切れない関係にあります。しかし、その鎖は成長するために切らなくてはいけないものでした。

 まずは現実すら侵食する鎖(=祖父の呪いのイメージ)のおさらいです。
鎖は夕日が最初に獲得した方天戟のイメージよりも先に登場しています。それも、方天戟とは違って現実でも見えてしまうイメージとして。
「敵も味方もつくるな」「だれも信用するな」と、幼い頃から夕日に呪いを吐き続けた祖父の言葉が、作中序盤から夕日を苦しめていました。

2011016.jpg

千切ってもらったのに……

 2011015.jpg

飛べない夕日

 さみだれが3話で鎖を千切ってくれていますが、それでも夕日は鎖に縛られています。
このシーンが意味しているのは自分で何とかしなければいけないということなのでしょう。
5話の川ジャンプでも「鎖が見えた」と言う夕日がいました。
また、願い事を叶えてもらい、祖父の命を救ってからしばらく見えなくなっていた鎖が、半月が死亡した後にはまた(本人曰く)「トラウマの象徴」として夕日を縛っています。今回再読して気付いたのですが、ノイが願いを叶えた直後に鎖を自分で切ったシーンってなかったんですね。というわけで、白道さんを救った時に夕日が自分で切った鎖は、あくまで半月に関わるもので、祖父と関係する鎖はまだ切ることができていないことがわかりました。

 では、祖父の鎖を切るとはどういうことなのか。どうやったら切ることができるのか。
「方天戟」習得=可視化できる成長と考え、今回も同じパターンであると仮定すると、起きた出来事をしっかりと受け止めて消化するということだと思います。あの時は、半月の死を受け止めて、しっかりと自分の感情を表現する=泣くことで、起きたことを自分の中で整理し(ノイの言葉を借りると)夕日は「強く」なりました。
 つまり、今回も夕日は祖父から受けた呪いを何らかの方法で消化しなければいけない、ということ。願い事で祖父の命を人知れず救うだけでは夕日を大きく成長させる要素にはなりませんでした。事実、夕日は願いを叶えた6話の中で「祖父を許したわけじゃない」と発言しています。

2011018.jpg

 方天戟が発現可能になったまさにその回に、夕日は祖父と未だ向き合えていない描写があります。ここを乗り越えることこそがまさに次の成長要素です。
が、具体的な願望が無くては成長のしようがありません。祖父を許す=強くなる、では意味がわかりませんし。
(能力獲得の前提条件として、夕日が肉体的にも成長していることがありそうですね。前の更新で書き落としていました(方天戟獲得前に半月の技術を得ている)。すいません。)
 方天戟発動条件をクリアした時=白道さんを助けた時にも具体的な願望があったとするなら、「今度は自分が恩人(ノイ)を助けたい」あるいは「ヒーローになりたい」ということです。
今回は日下部太朗を救えなかったことから起因する「強くなりたい」が願望に当たると見て間違いないはず。そう、夕日はさらに強くなる必要がありました。
この時にアニマの力で強くなる可能性もあったのですが、夕日は白道さんに負けてしまい、幻獣の騎士にはなれませんでした。幻獣の騎士になる=超能力が強化される=掌握領域が成長する、という感じで夕日の成長とは別にパワーアップチャンスがあったわけですけれども、逆説的に考えると成長イベントをこなしていなかったから能力パワーアップができなかった、ともとれるのかな。
 身体には成長しているのは、三日月を決闘で破ったことで一目瞭然かなと。このシーンがあることから、方天戟獲得の時と同じように夕日自身のパワーアップは済んでいます。

2011019.jpg
2011017.jpg

やっと向き合う2人

 長くなってきました。いよいよ祖父との和解です。
49話で祖父が唐突に亡くなってしまいますが、仲間との出会いを経て「やわらかくなった」夕日は祖父を許します。こうなったら許すしかない、とは本人の弁ですが、その直後の夢(?)における祖父との会話でようやく(文字通り)向き合うことが出来ていることから、仕方なしに許したわけではないのでしょう。夕日、成長しました。
鎖は結局どうしたかというと、切るのではなくぶん投げているのですが、3話とは違い夕日が自分で鎖と決別しました。
 ちょっとここで補足しておきたいのは、48話での風巻さんとノイとのやり取りから、祖父に呪縛を受ける前に戻ったような描写があったので、死をきっかけにしなくても鎖は外れていたのではないか、ということ。この辺は、こんなことがない限り夕日は祖父と会おうとしないから、直接対面させる方法として仕方なかったのかな。

 さて、そうして発動したバビロンですが、ここで思い出して欲しいのは能力説明にあった「他者の運動妨害を同時に行う」という箇所です。これって夕日を縛っていた鎖に似ていると思いませんか。夕日は祖父の呪縛にさんざん苦しめられていました。その経験を超えたことで、自分のものとして能力に反映できているのでは、ということです。
 東雲半月の方天戟と、夕日が獲得した力が同じものであるように、また、その経験を消化して自身の能力としたように、バビロンにも同じことがいえるのではないかなと。
夕日は自身を縛り続けた鎖を、そのトラウマを克服することで自身の能力に昇華し、相手(の自由)を縛る能力を得たと考えると、祖父との和解のタイミングと能力獲得のタイミングが上手く噛み合う気がするんですね。この説、どうでしょう。
 ただ、初使用持に「使う時が来た」と言っていたので、もう完成していたのかもしれませんが……。

 そういうわけで、方天戟と同じようなパターンの獲得条件と能力効果を持っていることから、夕日の能力獲得はパターン化しているんじゃないか、という話を思いついたのでした。
あと1回だけ、最後に残った「ノイの幻獣化」に続きます。キーワードとキーアイテムは言うまでもなく、さみだれと彼女のマントです。バビロンで言いたいこと言ったので最後書かなくてもいい気がしますが、せっかくなのでやります。

「惑星のさみだれ」 夕日の成長と掌握領域の関係(3)ノイの幻獣化

「惑星のさみだれ」 夕日の成長と掌握領域の関係(1)方天戟

 今回は「惑星のさみだれ」の話。
主人公・雨宮夕日が作中で獲得した3つの能力について、彼の成長と絡めて考えてみます。
まずは掌握領域から発展した1つ目の能力「方天戟」について。 

 「方天戟」は元々、犬の騎士・東雲半月のものでした。本来の形では攻撃力を持たない掌握領域を槍状に変化させ武器として使う、というもの。
東雲半月の編み出した「方天戟」が特別強力というわけではなく、犬の騎士自体が攻撃力の優れた騎士であることは9話でノイが語っていますし、花子が「勇者の剣」を発現させた41話でもアニムスの口から語られています。そのことから、歴代の犬の騎士は攻撃性能の高い掌握領域を発現させ、使用していたことになると思うので今回の半月もルドの手引きで発現させた掌握領域に「方天激」と名付け打だけなのかな。この辺の話はどうでもいいんですが。

sami50-3.jpg

 その「方天戟」、夕日は「強いもののイメージ」を描いた時に、姫(アニマ)やアニムスのようなデタラメな力よりもイメージしやすいという理由から想像して発現、獲得します。
ここで確認しておきたいのは、第20話「東雲兄弟と雨宮夕日」において、夕日が半月の死を乗り越えて確かに成長をしたことです。
これから後に獲得した2つの能力も夕日の成長と深く関わっているので、最初に得た能力が成長の先にある、というのは見落としてはいけない要素です。

 20話の時点で獲得条件は満たしていた、と仮定すると21話の冒頭が凄いことに気付きました。
「この空をぼくの庭にできる。この空を掌握できる」というセリフがあり、バビロンの伏線が貼ってあることは知っていたのですが、なんと扉絵にも仕込みがありました。

2011014.jpg

しっかりと掴んだ方天戟とまだ掴めない"鎖"

 この扉絵で、この時点で方天戟を獲得していた(=獲得する要素は揃っていた)ことと、次に獲得する能力=成長する要素の示唆がされています
 もう少し詳しく説明。魔王さみだれと夕日だけが立ち入ることのできる夢の世界において、方天戟は夕日の力の象徴として描かれています。(作中で初登場したのは実はこの扉絵だったということは今回更新するにあたって初めてしっかり確認しました)
ちなみに、方天戟が発現する31話の扉絵は「今まさに方天戟を掴まんとする夕日」です。こちらは作中とリンクしていてわかりやすいです。

 そして、ここでは一緒に"鎖"が描かれています。初期から夕日の精神を縛るイメージとしての鎖が、夕日の能力に関係する場面で描かれたということは、鎖が次の能力に関係してくるということ。
次の能力は掌握空域「バビロン」になるわけですが、今更になってようやく鎖とバビロンの関係性を発見したので次回更新の(2)で紹介してみたいと思います。
 
 本当は1回で済ます予定だったのですが、書いている途中に21話の扉絵での発見があり紹介したくなって少し長くなったので分割しました。続きます。

「惑星のさみだれ」 夕日の成長と掌握領域の関係(2)バビロン

「HUNTER×HUNTER」 ゴンにとっての"残念"

 ずっと待ってました。「HUNTER×HUNTER」29巻。
理由は2つ。1つ目は掲載時からずいぶん時間が経ってしまっていたので忘れている部分もかなりあったから。2つ目は雑誌掲載時からずっとしたかった更新ができるからです。
先日更新した2つのエントリはこの更新のための前振りでした。

「HUNTER×HUNTER」サブタイトルについて考える(前編)
「HUNTER×HUNTER」サブタイトルについて考える(後編)

 ずっと書きたかった更新というのはNO.305/残念の話です。このタイトルは凄い。
実際に「残念」という表現が用いられているのはここです。

2011013-3.jpg

「…ゴン。残念だけど、キミを殺さなきゃいけない。王の為…」

 ピトーは、カイトが既に死んでおり自身の能力をもってしても戻せないことを告げたことで絶望するゴンに対して「残念」と言い放ちます。

 ここで「残念」という言葉を用いるピトーの真意を考えるだけでまた1つ更新ができそうな気がしないでもないですが、本題ではないのでさらっと。自分の中では
・約束を守ってくれたゴンに対して、殺すという不義理を自分がしてしまうのは残念なこと
という意味で、ピトーの変化の一端がここでも描かれているのかなと今は解釈しています。

 閑話休題。ただ、この「残念」はピトーの本心ではないという見方も強くあって(画像でわかるようにピトーは全く残念そうな顔をしていない)、この言葉をタイトルに持ってきたい時に、冨樫先生があえて言わせたと考えたいです。
その、あえて言わせた理由=この回のタイトルが「残念」な理由は以下のシーンが根拠です。

 自分を殺そうとするピトーに対してゴンは

2011012-2.jpg

「もうこれで終わってもいい。だから ありったけを」

 残り全ての力を使い切ってでもピトーを殺すと決意します。

 この作品における力はオーラ=「念」によって表わされています。
ならば「ありったけ」とは残りの念すべてのこと。ゴンは"残"りの"念"を使い果たしてでもピトーを殺すと決意したと変換することができるのではないでしょうか。
つまり、「残念」と書いて「ありったけ」と読める、すごいタイトルだというわけです。
 
 何でこの「残念」というタイトルの回がずっと気になっていたのかというと、「HUNTER×HUNTER」でないと成立しないタイトルだからなのだなとわかりました。
「念」という概念が作品に無ければ、その念がオーラという形で存在し、消費するもの≒"残るもの"として存在しなければ、この「残念」に「ありったけ」という意味を持たせることはできなかったと思うんです。
だからこの回が凄いと記憶されていたのかなと。
今後どんな展開が来たとしても「HUNTER×HUNTER」で一番上手いサブタイトルを1つだけ選ぶとしたらこの回であると断言できます。

 ここから先、ゴンがどうなったかの話はきっと色んな所で書かれるはず。当時からもの凄く話題になっていましたから、単行本が出たこの時期にもまた話題に上るでしょう。
あえて何か感想を言うとしたら、キルアが一瞬の間に確かに聞こえたゴンの声が細かいけど上手いなということかな。よくわからんレベルに達してしまったゴンの凄さを、作中で既出の描写(ネテロとピトーの一瞬の攻防)で表現していることに今回気付いて膝を打ったのでした。

 こんな感じで終わりますが、「残念」の凄さは伝わったでしょうか。伝わっているといいな。

PageTopNext>>

プロフィール


管理人:10

何かあれば、下のメールフォーム又はpudding_sour_10○yahoo.co.jpへ御連絡ください。
(○を@に変えてください)

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

最新の記事
全記事(数)表示

全タイトルを表示

カテゴリー
ブログ内検索

RSSフィード
カウンター



+2,000,000
(since:2007.8.5~)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。