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「HUNTER×HUNTER」 レオリオの念能力を考えてみる

 特殊能力が登場する作品が好きです。能力について、あること無いこと考えるのも好きです。
というわけで、今回は「HUNTER×HUNTER」30巻で初登場したレオリオの念能力について、あること無いこと考えてみました。

○レオリオの念能力は?

 作中ではまだ明言されておらず、30巻でジンに使用した一度きりの描写から推測するしかありません。
少ない情報で仮定した、念能力の予想は以下のものです。

①念を纏ったレオリオがA地点に触れる
②(念能力の有効範囲内にある)B地点を指定する(あるいは、B地点までエネルギーを操作する)
③レオリオがA地点に触れたエネルギーを、実体を伴ってB地点に出現させる

 このような感じです。
この仮設に基づいて30巻の該当シーンを見てみます。

20130112-4.jpg
①レオリオが机(A地点)にを叩きつける

20130112-3.jpg
②ジンがいる場所(B地点)を出現ポイントに指定(エネルギーが移動)

20130112-2.jpg

の形をしたエネルギーがB地点から出現し、ジンに命中

 私はこの能力を、「離れたB地点を攻撃する能力」ではなく、「A地点に触れたままの力・形をB地点に出現させる能力」だと解釈しています。


○何のために会得した能力なのか?

 本題。では、なぜレオリオはこの能力を選んだのか、という所まで考えました。

 G・I編でゴンとキルアが、スコップを肉体の一部と考えて纏(テン)を使用したシーンがありました。
レオリオも同じ発想に至ったと考えると、例えばメスを握りながらこの能力を使用することを思いついたのではないでしょうか。
 今回はたまたまジンを殴るために使用しただけであって、能力の本質は自分=医者の仕事を補助するためにあるのではないか、ということです。
 人体の仕組みについてはよくわかりませんが、この能力があれば、人間の手では触れない所を手術することや、患者の身体をあまり傷つけずに手術を行えるのではないかな、なんて思うのです。

20130112-1.jpg
「見てたと思うが、俺は手術なんてしてねー」なんて言い出しそうです

 仮説が合っているとして、仮に誰かが手術に誰かが立ち会うとします。すると、念能力が見えない一般人にとってはレオリオがエア手術をしているようにしか見えないわけで、彼の「夢」を補助する屁理屈になり得る能力になるのではないかなと思えて、レオリオがまた好きになりました。

 以上のように、表向きの仕事に使う能力なので、プロハンターが数百人いる総選挙の会場で使用することに全く躊躇がなかったことも納得がいきます。
まあ、ゴンやレオリオは自分の能力をなるべく知られないようにしたい、なんていう狡猾さは持っていないとは思いますが。

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「HUNTER×HUNTER」 正拳と邪拳

 「HUNTER×HUNTER」で今更気付いたことがあったのでメモ書き程度に残しておきます。
 今までは王とゴンがどこか似ている部分があるんじゃないかということで、この2人の共通点ばかり探していて目が向いていなかったのですが、実は蟻編で対になっていたのはゴンとネテロ会長もそうなんじゃない?という話。

 まずはゴンの能力「ジャジャン拳」について。
シンプルながら、短距離攻撃の「グー」、中距離攻撃の「チョキ」、長距離攻撃の「パー」の3種類に変化可能な応用の効く点は、ビスケ曰く「意外と理にかなっててやられる方はイヤ」だそうです。
そんな「ジャジャン拳」、獲得前にビスケがこう話していました。

20110001.jpg

「ジャンケンの語源はその当時の邪拳にあるって説だわさ」

 漢字にするとジャンケンは邪の拳ということらしいです。そういう風に捉えると、確かに拳と言いつつ剣になったり、飛び道具になったりするのは邪といえば邪だなと思えます。

20110002.jpg

 と、ここで気付いたのがネテロ会長の「百式観音」は正拳突きがベースだよな、ということです。こっちは九十九まで"掌"があるらしく、(全部描かれてはいませんがおそらく全部観音の掌による攻撃で)正拳突きではないですけど、ちゃんと正当に拳(というか手)を使った攻撃になっているはずです。そう捉えると正しく拳を使っている技という意味では正拳だなと無理やり解釈をして話を続けます。

 ここまで見た後に面白いなと思ったのが2人の奥義について。
 "正"を極めたネテロ会長の奥義は

百式観音零の掌は敵背後から現れし観音が有無を言わさぬ慈愛の掌衣でもって対象を優しく包み込み(中略)ネテロの渾身の全オーラを目も眩む恒星のごとき光弾に変え撃ち放つ無慈悲の咆哮である
(29巻139~143ページより)

 レーザーです。正拳突きを極めた果てに得た能力の最終奥義がレーザーというのが未だによくわからないのですが、この辺は何も考えずに読んでいるので、もっと色々と見ていけば気づける要素がありそうですが、今回は放置して話を進めます。
一応、包み込む動作において掌は使っているものの、攻撃自体は口からのオーラ発射で行われています。掌なのに口、これは邪です。

 一方、"邪"を極めた先にあったゴンの奥義は

20110004.jpg

 得意とする「グー」の正拳です。
邪拳の奥義が正拳で、正拳の奥義は邪拳というのは、狙って対比させているのかなあと思うわけでして。というのも、2人の奥義に関する描写で微妙に被っている部分があったので。

20110003.jpg

 この「狂気に身を委ねた」というのは、ゴンもそうなのかなと思うんです。「ピトーを倒せるならどうなってもいい」という狂気によって数年後の姿へと変貌したのは、正拳突きのみに没頭して数年を過ごしたネテロ会長と同じなのかなと。ピトーを倒すために全てを犠牲にして修行し、成長した場合こうなったと仮定すると上手くはまるような気がします。それと、今回の件とは関係ないんですが、一応このシーンがゴンの変貌の裏付けの一部になっていたのかと気付けました。
 この感情が、ゴンは憎悪=負で、ネテロは感謝=正になっていて、ここでも正邪分かれているのがまた面白いなとも。

 というわけで、特にオチはないんですが面白い対比だなと思って更に蟻編が好きになったのでした。

「HUNTER×HUNTER」 ゴンにとっての"残念"

 ずっと待ってました。「HUNTER×HUNTER」29巻。
理由は2つ。1つ目は掲載時からずいぶん時間が経ってしまっていたので忘れている部分もかなりあったから。2つ目は雑誌掲載時からずっとしたかった更新ができるからです。
先日更新した2つのエントリはこの更新のための前振りでした。

「HUNTER×HUNTER」サブタイトルについて考える(前編)
「HUNTER×HUNTER」サブタイトルについて考える(後編)

 ずっと書きたかった更新というのはNO.305/残念の話です。このタイトルは凄い。
実際に「残念」という表現が用いられているのはここです。

2011013-3.jpg

「…ゴン。残念だけど、キミを殺さなきゃいけない。王の為…」

 ピトーは、カイトが既に死んでおり自身の能力をもってしても戻せないことを告げたことで絶望するゴンに対して「残念」と言い放ちます。

 ここで「残念」という言葉を用いるピトーの真意を考えるだけでまた1つ更新ができそうな気がしないでもないですが、本題ではないのでさらっと。自分の中では
・約束を守ってくれたゴンに対して、殺すという不義理を自分がしてしまうのは残念なこと
という意味で、ピトーの変化の一端がここでも描かれているのかなと今は解釈しています。

 閑話休題。ただ、この「残念」はピトーの本心ではないという見方も強くあって(画像でわかるようにピトーは全く残念そうな顔をしていない)、この言葉をタイトルに持ってきたい時に、冨樫先生があえて言わせたと考えたいです。
その、あえて言わせた理由=この回のタイトルが「残念」な理由は以下のシーンが根拠です。

 自分を殺そうとするピトーに対してゴンは

2011012-2.jpg

「もうこれで終わってもいい。だから ありったけを」

 残り全ての力を使い切ってでもピトーを殺すと決意します。

 この作品における力はオーラ=「念」によって表わされています。
ならば「ありったけ」とは残りの念すべてのこと。ゴンは"残"りの"念"を使い果たしてでもピトーを殺すと決意したと変換することができるのではないでしょうか。
つまり、「残念」と書いて「ありったけ」と読める、すごいタイトルだというわけです。
 
 何でこの「残念」というタイトルの回がずっと気になっていたのかというと、「HUNTER×HUNTER」でないと成立しないタイトルだからなのだなとわかりました。
「念」という概念が作品に無ければ、その念がオーラという形で存在し、消費するもの≒"残るもの"として存在しなければ、この「残念」に「ありったけ」という意味を持たせることはできなかったと思うんです。
だからこの回が凄いと記憶されていたのかなと。
今後どんな展開が来たとしても「HUNTER×HUNTER」で一番上手いサブタイトルを1つだけ選ぶとしたらこの回であると断言できます。

 ここから先、ゴンがどうなったかの話はきっと色んな所で書かれるはず。当時からもの凄く話題になっていましたから、単行本が出たこの時期にもまた話題に上るでしょう。
あえて何か感想を言うとしたら、キルアが一瞬の間に確かに聞こえたゴンの声が細かいけど上手いなということかな。よくわからんレベルに達してしまったゴンの凄さを、作中で既出の描写(ネテロとピトーの一瞬の攻防)で表現していることに今回気付いて膝を打ったのでした。

 こんな感じで終わりますが、「残念」の凄さは伝わったでしょうか。伝わっているといいな。

「HUNTER×HUNTER」サブタイトルについて考える(後編)

前回の続き。
各話のタイトルで面白いと思った物を紹介していきます。今回はグリードアイランド編の予定だったのですが、全く発見がなかったので一番酷いのだけ紹介して蟻編の紹介をします。

・あまりにも酷いマサドラシリーズ
NO.135/いざマサドラへ!?
NO.136/いざマサドラへ!?
NO.137/いざマサドラへ!?
NO.138/いざマサドラへ…?
NO.139/ホントにマサドラ行くのか?
NO.140/マサドラには行ったけど
NO.141/もうマサドラ行ったから次から別の感じのタイトルでいいや


 コミックスの収録がこの辺に密集してなくてよかったですとしか言えない。1話あたりのページ数も少ないので、この辺は作者にやる気がなかったのでしょうか。タイトルが冴えている時とのギャップがありすぎます。

 やる気のあるタイトルも少し出てくる蟻編の紹介へ移ります。

・ハンター"ハンター"?
NO.190/狩り(ハント)

 戦闘能力の高い蟻が出現し、今までは蟻を狩っていたハンターが今度は狩られる展開にシフトし始めた頃です。しかも、初期に登場したポンズが殺され、ポックルも捕まってしまうという予想外の出来事が起きた回でもあります。
連載当時に見かけた感想で「タイトルの『ハンターハンター』って今の蟻編そのものじゃない?」というようなものがあったのですが、そう思ってしまうのも頷けるようなエピソードがこの辺は多いので、今でも一理ある説だなと。

・再会
NO.201/再会
NO.220/再会?
NO.221/再会?
NO.222/再会?
NO.273/再会


 ゴンにとっては必然的な2つの「再会」をする回、222話と273話には奇しくも同じサブタイトルが付けられています。そして、それぞれのエピソードが収録されているコミックスの表題も21巻、26巻共に「再会」です。ここは狙ってやっていると見て間違いないはず。

 せっかくなのでそれぞれの「再会」がなんなのか軽く触れておきましょう。

・201話:扉絵でのヒソカとクロロの再会。ゴン、キルアとビスケの再会

・221話:ノヴとパームの再会。ナックル、モラウとヂートゥの再会。それと、21巻139ページでキルアとゴンが「またパームに会うことがあればこうなる/ならない」という、再会した時のifの話をしています。

・222話:特になし?次の回への繋ぎかな。あえて言うならヂートゥがモラウとナックルに再会した時の為に強い能力が必要だと思い知った回、ということですかね。かなり苦しいですが。

・223話:ゴンとカイトが再会した回。

・273話:ゴンがついに仇であるネフェルピトーと再会した回。ピトーにとっては戦闘に移行するわけにはいかない現状からあえて「会う」という言葉を選んだのかもしれないというのは考え過ぎでしょうか。

 218話と296話も同じ「告白」というタイトル、200話と289話も同じ「条件」というタイトルなんですが、特に共通点は見つからず……何かありそうなんですけどわかりませんでした。

・王は二度生まれる
NO.213/誕生
NO.299/再生


 この2話はかなり長めのパスになっていると考えています。
暴君として誕生した王が、人間を知り、ネテロと闘い、人間の悪意に触れて一度命を落としかける。けれども護衛軍によって肉体が文字通り「再生」する。それだけでなく「メルエム」という名前を授かり、赤子のような何もできない状態から"再"び"生"まれているのが299話であると読み取れるので、この回のタイトル「再生」はダブルミーニングであるのは疑いないかなと。
名前をすぐに知ることができなかった理由がこの二度目の誕生に集結していて、マサドラシリーズの名付けの親だとは全く思えません。名前を知るのと、赤子に等しい状態を同時に持ってきて「再生」させるのは流石としか言い様がないです。

・蟻編のサブタイはすごい 
 ここでは深い!と思ったのを2つ紹介。
まずはNO.274/解答。キルアが得た「万が一」の状況が発生したことの解答。ピトーの置かれた状況の解答を得たキルア。場を切り抜けるためにピトーが取った行動も正解の答え。だけれど、ゴン1人だけが「解答」を得られない、そんな回であると思います。

 もう1つはNO.294/決壊。キルアが今まで必死で押さえていた感情が溢れ出た「決壊」の回です。
が、実はもう1つあります。この回では、プフがパームへ行った兵士改造への実験(=記憶と感情を繋ぐ部位だけを破壊するとどうなるか)が失敗したことで、今後兵士を生み出すにあたって記憶と感情を繋ぐ部位だけでなく、記憶と感情そのものも"壊"すと"決"意しました。これもまた「決壊」と読めるのではないでしょうか。言葉遊びかもしれませんが、内容とリンクして、かなり巧いタイトルになっているなと。

 実はこれまでの2回の更新は29巻のあるサブタイトルに触発されてすることのできたものです。この2回の更新を読んで面白いと思ってもらえたら、次回もまた冨樫先生のタイトル付けのテクに唸ってもらえるかなと。
あと1回だけ続きます。

「HUNTER×HUNTER」サブタイトルについて考える(前編)

 「HUNTER×HUNTER」の各話についているタイトルで個人的に面白いと思ったものを紹介していきます。まずはハンター試験編から。裏試験含めて、8巻までやっちゃいます。
蟻編の25巻以降が本番だと思っているので、この辺は読みがかなり甘いですがご容赦ください。

・やる気無いシリーズの元祖?
NO.005/第1次試験開始①
NO.006/第1次試験開始②


 前後編で同じタイトルというのはよくある話かもしれませんが、ヨークシンでの○月○日シリーズ、蟻編でのカウントダウンシリーズを見ていると、ここで連番を用いてさえいなければ……と全ての責任を押しつけたくなるかもしれない回。
しかも①では試験が始まっていません。が、ここから受験生同士の駆け引きが始まっているので試験が始まっていると言えば始まっているのかも。

・対応シリーズ
NO.010/意外な課題
NO.011/当然の結果


 探せば沢山ありそうな、言葉が対応してるシリーズ。
恥ずかしいことにこの2つが対になっていることに今更になって気付きました。「当然の結果」は試験官がメンチならという接頭語をつけて読む皮肉っぽいサブタイなのかもしれません。
あとはNO.015/多数決の道NO.019/多数決の罠も対応しているといえばしているかも。

 NO.059/及第NO.060/合格も対といえば対かな。話の中身としては特に対応していなくて、むしろヒソカと戦うには及第点でハンター試験には合格点で~という一見すると変な構図になっています。
それと、「合格」というタイトルは、4巻のNO.034/合格者第1号!?の?を取り去る役割も果たしているのかなと。1号はゴンだけど、合格に納得していなかったことは本人も口にしていますから。

・長いパス?
NO.035/光と闇①
 
 蟻編で書こうか迷ったのですが、これを書かないと今回あまりに中身がないので先出しします。
蟻編のNO.199が「光と影」というタイトルになっているのを踏まえると、闇→影という言葉の変化から、キルアの成長が感じられるのは気のせいでしょうか。
ハンター試験編だけを切り取って考えるとゴンとキルア、ハンターライセンスと殺し屋ライセンス(表/裏社会でのライセンス)の対立項が考えられるのかな。あとは、キルアにとってのゴンとイルミかな。これが一番しっくりくるかもしれない。

・カタカナである意味
NO.050/ゼツ

 この時点でゴンは燃ではなく念の「絶」を使えているのに、タイトルはカタカナでゼツ。この前にある嘘の念=燃シリーズと同じ表記になっています。これは単純に考えて、真の意味で使いこなせていないということでいいんじゃないでしょうか。むしろじっくり考えるべきは次の回、NO.051の「点」なのかも。

 パッと眺めて気になったのはこんな感じかな。
タイトル一覧だけでもデータ化して並べたらロングパスが見えてきそうなので、何か発見したら追記するか、また別の機会に書くかもしれません。
で、次はヨークシンなんですが……怒涛の日付シリーズが続くのでパスしてG.I編にいきます。こっちはこっちで有名なマサドラシリーズがあるんですけど、やる気ないシリーズの代表例として書いておく意味はあるのかなと思いますので他の発見とあわせて紹介します。

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