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「スピリットサークル」8輪目 ストナ

「いいわね。最高だわ。それでこそフルトゥナの魂。消滅し甲斐があるというもの」

第7輪の感想はこちら
 誰にでも「作品と出会った回」というのがあると思うんですけど、たまたま今回手に取った人は何だこの救いようのない暗さを持つ作品は…と感じるかもしれません。
 先月の素晴らしい展開があるからこそ、鉱子の憎しみの深さとストナの辛さが際立つ回かな、と。「醒誕祭」を思い出してしまう、水上作品屈指のネガティブさです。

 開始数ページはたっぷりカラー。7輪ラストの再掲のような形ですが、カラーでレイが見られたのは嬉しい限り。
さみだれの頃からそうでしたが、コミックスを意識したつくりになっていますね。あまり他の作品のコミックスを持っていないのでわからないのですが、アワーズ作品はみんなこうなんだろうか。


○ヴァンの過去生体験を終えて

 感想には書いていませんでしたが、7輪を読んでいて違和感のあった「何で鉱子は風太が見るのがヴァンだとわかったのか?」については、単にヒキを作るにあたって意図的にやり取りを簡略化していただけのようでした。
でもルンはわかってるみたいなんだよな。今月は優しかったりと、やはり彼女は謎が多いです。

 「騎士」と聞いて即ヴァンと断定する鉱子によって、「騎士」として生まれたのはヴァンだけと判明。もしかしたら鉱子が第5生~7生をまだ体験していない可能性もあるので一概には言えませんが。
 薬草師の魂と対峙する時のヴァンの魂は酔っ払い時期のものですか。フォンの首が血染めになっていたり、なっていなかったりするので、一番恨んでいた時期の魂が固定して顔を覗かせるわけではないようですが、恨んでいた時期があるだけで満たされた生を送った魂も反応してしまうものなんですね。うーむ、根深い。
 
 根深い繋がりで、フォンの話。前回「フォンの魂は満たされたから、第4章以降には彼の要素はもう出ないのでは?」と書きましたが、全然そんなことなさそうです。「いい気味だ」じゃないよ。レイに会えたじゃないの。

 ヴァンの生を知った風太に厳しくなった鉱子。今回の引用セリフの時の顔なんか、どう頑張っても笑顔にできそうにありません。
 5輪の赤面が最後の日常モードになってしまうんでしょうか。
いまの時点から既に終盤のデレを待ち続ける覚悟をしておきますか。

 風太はヴァンの人生をまるまる追体験したようですが、鉱子は「薬草の知識がない」と。何か引っかかりますが、これは風太が(おそらく)酒の味を覚えていなかったり、剣術が使える訳ではないのと一緒なのかな。


○ストナ、その後

 ストナの人生は悲惨なものであった、というか、フォンと関わったことで悲惨なものになってしまった、と。これは鉱子がヴァンの人生を聞いて蹴りたくなる気持ちもわかります。
それにしてもイースト「ちょっとひどい」はないだろう。けっこうヒドいですよ。

ストナは仕事に対してひたすら真摯だったと。彼女の真摯さ(余計な命を奪うまいと口をついて出た言葉)が破滅を招いたのは皮肉としか言いようがないのですが、そんなこと誰も知ったこっちゃないのが悲しいです。

 彼女を滅ぼしたのは負の連鎖というか、何というか。これはどんな感想書いても薄っぺらいものになってしまいそうなので、力量不足につき長い言及は出来ませんが、ただひたすら「怖い」ですね。
 「戦国妖狐」で何度か生贄の話が出ているように"悪しき風習"の話を書いて、キャラクターや読者に是非を問うようなエピソードを描くのが水上先生巧いな、とも思わされました。

 8輪を読み終えて一番気になっているのが「薬草師」の生き方についてです。
鉱子が「今日はこの辺まで」と言っているので、おそらく次回は薬草師の人生について風太と確認し合う回になるはずで、名前含めて色々判明することになると思うのですが、現時点で少し予想をしておきたいな、と。
 薬草師に生まれた動機は前回の感想が的中したかな、と考えています。ただ、予想しうる中で最悪のパターンでした。一番の疑問は、その最悪のパターンで命を落としたストナが果たして「まっとうな薬草師」であったか?ということです。
 
 今回読む限りでは、フォンだけを特別を恨んでいる様子も現時点では無いと解釈しました。
だからと言って死に際に誰も恨まずに切り刻まれたのだろうか、という疑問があります。
恨んでいるとしたら愚かな一般人のはず、と考えているので、その人たちを治すために真っ当に生きられたんでしょうか。
ストナというキャラクターをしっかり理解できていないせいで、あらぬ想像をしてしまいます。「流行病の村」の描写がされていないせいで、本当にそんな村あったのか?という疑問すら湧きますし。

 ただ、ヴァンの人生と対応しているなら彼女もけっこうな年齢になっているので、最初は(本能的に)村人を恨んでいたけれど、生きていく中で魂が救われた、なんて事があったのかもしれません。
うん。こっちの方が気持ちの良い予想になっているので、こちらを支持しましょうか。


 最後にちょっとだけ気になる点を書いておきます。
今回、ストナにも精霊が見えていたことが判明し、鉱子は「前世の影響で精霊が見えてた」と言っています。フルトゥナもどうやらそうだった様子です。
 気になるのは「影響」という言葉のチョイスです。フルトゥナが霊に関する研究をしていた影響で、ということなのかな。わかりません。

 あと、何気に重要なコマが。

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 フルトゥナ、大人ですねこれ。鉱子の魂が恨んでいるのは背の高い大人フルトゥナということなんでしょうか。
しかし、風太がヴァンの記憶に辿り着く直前に一瞬見えた「スピリットサークルを手に持つフルトゥナ」は背格好が低いように見えました。こちらもまだわかりません。


 あと、感想の中に上手く盛り込めなかったのでここで書きます。
 鉱子が(物語開始から1か月経っているのに)歴史部に顔を出し続けていることが気になって考えてみたのですが、今月のタイミングだと、ストナの人生がいつの時代かを調べることや、薬草師が関わった村の行方を部活の時間を使って調べているのかな、なんて思いました。

 楽しい気持ちで読める回ではありませんでしたが、シエロに引きずられて吾妻先生ちょっとイケメンになってるのが可笑しかったです。

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「スピリットサークル」7輪目 ヴァン・3

「だからもっといっぱい歩きたいの。あの男の子や私の幸せに辿り着ける気がするから」

第6輪の感想はこちら
 何ですか今回の面白さは。面白すぎて興奮しているので、いつも以上にまとまっていない感想になりますが、ご了承ください。
 それにしても、前回の赤ん坊にまつわる予想が酷過ぎて消したいです。こんな良い方に転がしてくるとは予想外で、良い意味で裏切られてとても嬉しいです。
 
 嬉しいつながり。扉絵のヴァンが笑っているのが、読み終えた後にみると嬉しくなります。
ヴァンの扉絵シリーズは手に持つ物が剣→酒→鍬と変遷していきました。持つ物によって彼の人生を上手く表しているな、と。

 ついでに扉絵の話。2輪からフォン、風太、ヴァンとキャラ単体の扉絵が続いていて、全員が手に何か持っていますね。
(フォン:刃つきの縄、風太:松葉杖、ルン:スピリットサークル、ヴァン:剣、ヴァン:酒、ヴァン:鍬)
意図的なのだとしたら、今後誰が何を持つか楽しみです。


 前置きが長くなりました。ここから本編。
冒頭の教会のシーンは、協会のいい加減さを描くことで、グラスをフォローしてるのがいいですね。
そして物語の流れとして見れば、このいい加減な協会のせいでヴァンが赤ん坊と関わる運命を作った、というのが皮肉っぽくて好きです。


○赤ん坊の正体

「レイ……?」

 いやいやいやいや。マジかよ!と初読時に度肝を抜かれました。ここでこういう形で出てくるか…!と。
よくよく考えたら、テツたちの魂がヴァンの人生に関わっていることから前回の時点で予想できた可能性もあったわけですが、あの1コマから想像を膨らませることなど全くできず、まんまと最大限驚くことができました。
 感想書くの遅くて他所様の1巻感想を読みたい誘惑に何度か駆られましたが、ネタバレ踏まないようにしててよかったです。

 ここからはもう最高です。フォンと共に生きたレイらしさが、今のレイから見て取れるシーンが一つ残らず良くて、もう本当に水上作品のファンで良かったなと思いながら読んでいました。
 1ページぶち抜きのページも良いし、そこで「歩くのが好き」と言ってくれたと思ったら、直後に前世のレイが見れるし、そこでサンダルの話もしてくれるし、冒頭の引用が最高だし、ヴァンは泣いてるし、と66~68ページは現時点で作中最高シーンです。

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 このレイが一番、前世のレイに似ているように見えます。かわいい。
ルンの時にも書きましたが、花売り?の服姿もメッチャかわいいです。

 レイのお陰で「神様」が「スピリットサークル」の世界にもいるのがわかったのが何気に大きな収穫です。

 花婿の「心当たり」がシエロだろうなーと思っていたら本当にシエロで笑いました。
格好良くはないけれど幸せな家庭が築けそうではあります。


○ヴァンの最期

 5輪最後で「呪われた」と言っていたわりにヴァンは穏やかな最期を迎えました。
グラスが言っていたように"呪い"なんてものはないのかもしれません。そもそも魔女ではなく薬草師であり、魔法を使えないただの人間なので魂に干渉できないように思えます。
 なので、ヴァンの次の人生に"呪い"的な何かがあるとしたら、ヴァンの魂が呪われた記憶を覚えていて何となく後ろめたさがあるからで、けっしてコーコのせいではないんだろうな、と。
 実際、「こんなに幸せでいいのだろうか」と自分の人生に疑問を持っているので、第4章の魂には影響するのかな、と。
烙印の有無は風太のスペックを考えるうえでのヒントになりそうなので、第4章には無いほうがすっきり考えられそうです。細かいことは4章が始まった時にでも書きます。

 ヴァンが最期を迎える時にフォンの魂は満たされた感じがするんですが、以降の人生にフォンの要素は出てくるのでしょうか。つまりはレイも出るかどうか気になっています。
 今のところレイが風太と鉱子を繋いでくれている気がするので、居てくれないと困るけれど、フォンが満たされたなら出てくる意味はそんなにないのではと思ってしまいます。また彼女が傷つくなり命を落とすなりして二人の運命がねじ曲がるのは嫌だし。
 レイが出てくる可能性あるのは、赤ん坊つながりで風太のきょうだい=妹として生まれることですかね。風太と鉱子の二人が同時にレイの魂と良い関係で係わることが現時点での和解の鍵ではないかなと。安易すぎますが。


 気になる8輪は、コーコ視点で魔女あらため「薬草師」の真実が語られるだけなんでしょうか。
フランティア家滅亡の真実も気になるところです。頭おかしくなって火を放ったというのはあくまで噂なので、フランティア家の人間が薬草師を殺したことが村の生き残りに知られて、復讐された可能性もなくはないのかな、と。
 あの隊長さん辺りはうっかり喋ってしまいそうな。

 最後に5輪感想の訂正、というか上書きをひとつ。
「ストナが命を奪う自分の仕事が嫌で、来世では人々の役に立つ人間に生まれたかったのでは?」的なことを書きました。が、今回「薬草師」というピンポイントな職業だと判明したこと、レイとストナの間に友情があったことから「フォンとの馴れ初め=薬草のエピソードを聞いていたのでは?」と思い立ったことから、以下の説を思いつきました。

・「薬草師」としての生は、レイの母親の病気を治した薬草を発見するのがフォンでなく、自分だったらレイの儀式執行の際に余計な命を奪わずに済んだのでは、と悔いている

 あるいは、後悔ではなくフォンを殺してしまった結果としてストナにも何かが起きた、とか。
ストナに何の心残りがあってレイが薬草師に転生したのかは次回語られるとよいのですが。

「スピリットサークル」6輪目 ヴァン・2

「あいつのせいで!!あいつのせいで!!魔女め!!全部あいつが!!あいつが!!」

第5輪の感想はこちら
 扉絵から嫌な予感がする6輪。早くも"呪い"によってメチャクチャな人生が始まるのか…という悪い予感がしたものの、それとは裏腹に今までで一番明るい回だったのではないかな、と。
それだけに"呪い"が一体何を示すのか考えてしまう回でもあったので、その辺にも触れてみています。


 冒頭の上司との別れで言われた「前世では親子だったかも」というのはフォン編を振り返ってもそんな気はしませんでした。ので、人生に深く関わる人にはそれくらいの縁がある可能性があるよ、という作品世界のあるあるネタなのかな、と感じました。
それと同時にこの後に出会う3人の前振りにもなっていると。

 ヴァンの新生活はそれほど悪いものではないように見えます。
ただ、そう思えるのは、まっとうな騎士だった時と、この後にスティールと出会うまでの時間の描写が短すぎるせいで判断がつきにくいために起こる錯覚かなと。魔女への恨みを見るに、まっとうな騎士として生きたかった願望もかなりあるでしょうし。
 この辺はヴァン編を読んだ後にまとめて読み返すと解釈が変わってきそうなので、心に留めておきます。


 ○スティールとグラスとシエロ

 この3人の登場はズルいです。現代編での前振りが効いてます。
 暗殺者のスティールは、スチール→"鉄"でテツなのはすぐにわかりました。
エセ宣教師のグラスは、"芝"≒五行でいうところの"木"系→ダイキ、という多少強引な解釈でよろしいでしょうか。
 
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 これは誰でも気づく対比だけれども、並べて貼らずにはいられません。風太がりんごジュースを飲んでいるのが細かい。
年齢に関係なく、この3人が揃えばバカ話で盛り上がれる、というのは理想的な関係ですね。
 1輪を読んだ時には「風太は夕日と対比するために友達が沢山いる設定を持って来たんだな」的なことを考えていたんですが、何もフルトゥナとコーコだけに縁がある訳ではない可能性は思いつきもしませんでした。
 グラスによって、前回の感想で気にしていた「キセキも魔法もねーよ」がちゃんと拾われたのにもニヤけてしまったのでした。

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 もう1人のシエロは現代の吾妻先生ですねこれ。
吾妻先生は4輪で2コマしか出ていないものの、ダイキが「何となく気が合うんだよねー」と言っていた理由の「何となく」が判明して膝を打ちました。個人的にはテツとダイキより、吾妻先生が風太の過去生に登場したことに一番テンションが上がりました。
 シエロも吾妻先生も、3人から一歩引いた立ち位置にいるのが好きです。

 シエロおよび吾妻先生に関して1つ予想をします。
シエロ(Cielo)はイタリア語とフランス語で「空」「天空」といった意味があるようです。なので、吾妻先生の名前は"空"もしくは"空男"あたりと予想します。吾妻空(アズマソラ)だと風巻豹感があるので、このパターンも大いにあるかなと。
 Cieloには「神」という意味もありますが、まさか吾妻先生が神クラスなわけはないでしょう。ないですよね。


○"呪われた人生"とは?

 フォンよりも楽しそうに暮らしており、どの辺が呪われた人生なのか今月だけではわかりません。が、最後の方で描かれた「友人たちとの死別」こそが"呪い"なのではないかと。つまり、5輪最後のモノローグで「ここからが長かった」とあるように、人生が長いことが自体がヴァンにとっての"呪い"なのでは、という予想です。
 
 今回のラストページで登場した赤ん坊によってヴァンの人生はまた活気付くけれども、また先立たれる結末が待っている可能性がありそうです。
 未消化の要素である、魔女の台詞「村が…。薬が……」と絡めて考えて、魔女がいれば完成していた薬が無いせいで中世で流行した何らかの疫病に赤ん坊が感染し、ヴァンより先に逝ってしまう、なんて予想になりましたがどうなるやら。

 未消化といえばフランティア家の弟もいますね。
テツ、ダイキ、吾妻先生がいる前世から考えると風太のきょうだいになるのは弟で確定なのかな。

 書きながら気づきましたが、フォンの魂を持ちながらヴァンには精霊が視える目がないですね。
フルトゥナが持っていたのかどうかも含めて、これもまた気に留めないといけませんな。
 あと、気に留めるといえば「呪いの有無」ですか。これはヴァン編だけでは何とも言えないことなので、4章以降に着目します。

 という感じで、コーコの魂がすでに居ない世界ながらも今後の展開を考えるうえで気になることがありすぎる素晴らしい回でした。今までも当然面白かったですが、思い返した時に、もう1段階好きになるスイッチ入った回になりそうです。

「スピリットサークル」5輪目 ヴァン・1

「過去を視て お互い事情話して理解しあえば もうちょい仲良くなれるんじゃないかと思って」

第4輪の感想はこちら
 話のタイトルが「○○(キャラ名・1」になり、待望の新章に突入しながらも、現代パートで気になる要素がけっこう見られたので、現代編に重点を置いて感想、予想を書いています。

○やっぱり悪い奴・フルトゥナ

 風太の良い面が鉱子を悩ませ、イーストを笑顔にする描写が今回もありました。今までのやり取りから発展して、鉱子は風太がいい人だからこそ、フルトゥナが許せないという新情報を得ました。
 5輪を読む限りではヴァンに対する恨みが大きいように思えるのですが、コーコの魂が許せないのはあくまでフルトゥナのようです。スピリットサークルを作った(=コーコの魂を転生する運命に巻き込んだ)ことへの恨みなのか、1章で何かが起きたのか、はたまた別の理由があるのか、益々気になるところです。

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 これまでのフルトゥナの客観的な評価を見ると、ルンのこの言葉が意味深に思えてきます。
どうにも、「フルトゥナとコーコの関係を知ってなお仲良くなる」ことに「がんばってください」と言ってる様に読めました。マスターであるフルトゥナ贔屓のルンから見ても努力が必要であると。 

 というように、何気ないルンの描写にいちいち目が留まります。
前回の感想で書いたように、
・好奇心旺盛な様子が散々描かれているルンが鉱子の傷に触れないことに違和感がある(コーコの魂を見ていて気付いていない可能性もある)
・どの過去生に飛ぶかわからないはずなのに、ヴァンが歌う「庭師の歌っていた歌」を先んじて歌っている
・その割にスピリットサークルの詳細は知らない
・風太の前に初めて現れた時のとぼけ具合
……と、掴みどころがなく、5話時点でルンにかなり翻弄されています。

 全然関係ないですが、ルンの庭師姿がとてもかわいいです。
かわいいと言えば「なに」の顔やヘソ、ドS描写と鉱子も新たな一面が見えてかわいかったです。


○第3章・ヴァン

 さて、やってきました第3章。
前世のフォンが何度も願った通り、今回は戦士・ヴァンとして生を受けることが出来たようです。 
が、精霊たちが心配したように「怨み」も抱えて生まれてしまったようで……。
というところで、フォンがフルトゥナ(第1章)の記憶を何も持っていないのが非常に気になりますが、今は考えても答えが出ないので置いておきます。

 中世?ということで2章とは全く別の世界ながらも、「魔法」「神」あたりは作中共通ワードとして登場しています。作品世界全体で「奇跡なんてない。魔法なんてない」の世界なのだとしたら隊長の駄目さが際立つことに……。ヴァンを気遣っていることから悪い人ではないようですけれど。
 もう1つの共通ワード「神」についてはどうなるのか気になるところです。水上作品に「神」は間違いなくいるので、「スピリットサークル」ではどうなるのか大変気になっています。

 今回も展開が早く、(ヴァンが反応したので確定と思われる)コーコの3番目の生・黒髪の魔女が早くも絶命してしまいました。
 フォンの怨念に突き動かされたヴァンが……というのは、今月ピックアップした風太の台詞がもの凄く虚しく響く結果です。しかも悪いことに今回のコーコは善人っぽい雰囲気しかないという。

 そして、風太のアザはヴァンの時に他ならぬコーコの魂が刻んだものだったと。そうなると、コーコの傷は逆パターンかもしれないなと。

 「ここからが長かった」というように、ヴァンの人生はここからが本番のようで。しかし、コーコのいない世界で今後に繋がる何が起きるのか、また、次の生に何を望むのかが気になるところです。
 
 コーコの魂はこの世界では死んでしまったので今回描かれないかもしれないけど、コーコ側も前世の願望が繁栄されていたりするんだろうか。そうすると、前回は他人の命を奪う仕事だったから、今回は薬を作って人を救いたかった、なんて理由で魔女(仮)に生まれたのかな。

「スピリットサークル」4輪目 スピリットサークル

「イヤな奴よフルトゥナは。『おれ以外は皆バカだ』って言ったりね」
 
第3輪の感想はこちら 
 これ書いている時点で、第1巻が発売してから20日ほど経過しています(コミックスは購入済)。雑誌で追うはずが単行本派に抜かされるというよくわからない展開に。
既にコミックスとは3話の開きがあり、8輪が掲載されたアワーズも発売しているので、2巻発売までに追いつくのが難しそうです。でも無理ではないので頑張ります。


 今回の4話目にして作品タイトルが使われています。
作中の用語(アイテム)として出ているので、タイトル自体ではなくスピリットサークルというアイテムに意味があるので、使い所として早すぎることは無いかなと。
そのスピリットーサークルについては自分の中で一定まとまりましたが、他の作品と併せて考えないと説明が難しいので、別の機会に詳しく書きます。
結論だけ言うと「人間でありながら魂に干渉できる物質を開発したフルトゥナは本当に天才だ」と言いたくなります。

 と、フルトゥナの名前が出たところで、今回少しだけ見えてきた、彼と彼の時代について情報を整理します。
新たに判明した情報で、フルトゥナなかなりの俺様キャラであることが判明。加えて、スピリットサークルの開発者であると。やはり、ここが1章で間違いないようです。
 "研究"というのは魂に関係する研究と考えました。スピリットサークルは副産物なのか、研究の成果なのかは分かりませんが、誕生秘話が描かれるのが楽しみになりました。
 
 さて、フルトゥナが嫌なやつということですが、1話の「おれが守らなきゃ」発言と噛み合いません。
 この発言と合わせて、娘を実験台としてスピリットサークルを完成させたイースト黒幕説あるんじゃないでしょうか。目が怪しいんですよ、目が。
 という冗談は置いておいて、フルトゥナを変える何か、もしくは、心の中に秘めた何かがあったことは間違いないようです。コーコを軸として考えるならば、ギンガサンダーの短編集で言葉だけ登場した"精霊病"にコーコが罹ってしまい、それを何とかするために、という予想が立ちましたが、根拠が全く無いので本当にただの予想でしかありません。 

 さらっと書いてしまいましたが、フルトゥナの時代における石神さんの名前は「コーコ」だったようで。
どうでもいい予想だけど、イーストが東だとすると、コーコは此処(ここ=現在地)という連想で名付けられたのかな。
 ノノと仲が良いことを踏まえて、額の傷には全く触れなかったのは何気に大きな情報では。好奇心旺盛のノノが何も言わないということは、知っているから触れない話題なのかな、と。1章で負う傷なんでしょうか。

 ノノのお陰で風太と鉱子の距離がやや縮まりつつあるようで、しかも前回の「かっこいいね」に対する「うん」という返答を見ているとまだ何とでもなりそうなのを見ると、やはり風太から距離を取るような展開がこの後待っている予兆のように思えます。
 それにしても、風太は腰派ですか。マセてますな。
今回は男の友情描写があったことで、1輪感想でも触れたように夕日とは逆方向を走っているなと改めて感じさせられた回でした。

 最後になります。鎧武者のシーンが何気に重要そうです。この後書く2点が気になりました。
 まずは「そこなる者はもしや」発言です。
ルンが外見の違う風太をマスター(フルトゥナ)として認識していることから、霊体は魂を見ているようなので、風太の過去生と鎧武者に関わりがあるんじゃないかと予想しました。今回伏字にされていた●●のどちらか、イコール有名な武将あるいは剣客の可能性が高そうです。何章かで戦国編あるんじゃないでしょうか。

 もう1つが"環光"です。こちらは詳しいことが全く分かりませんが、先の「魂に干渉している」発言は当然ここのことでした。
鉱子によるとスピリットサークルで「魂を殺す」ことができるようなので、今回、風太が鎧武者の魂を滅した可能性もあり、解放して次に生まれ変わることができるようにした可能性もありで、機能がはっきりしない分、鎧武者がどうなったのかとても気になるところではあります。


 次回からまた過去生体験ということで、次は何章なのか楽しみです。

「スピリットサークル」3輪目 フォン・3

「キミは桶屋風太ですよ。鉱子も鉱子です」

 第2輪の感想はこちら
 前回の補足は特にないですが、"太"と"子"で対になっていますね。今更気付きました。

 今回は画像つきで語る必要のある内容が思いつかなかったので画像ありませんが、あえて1枚選ぶならノノの「生きてるー?」って言いながらオバケの手をしているコマが可愛かったので、それにしたいです。
学校で違う髪型にしているのも可愛いです。

 3話目もフォンでした。今回はインターミッション的な回ではあるけれど、今回選んだイーストのセリフで「やはり水上作品のテーマはここにあるのか」と思わされたり、風太にとって頼もしい味方になるであろうルンが登場したりと、これから描かれる過去世は気になるものの、2輪までと引けを取らない面白さです。

 フォンの気持ちとしては、石神さんの魂が持っている風太の魂への恨みと同じような感情があるようで。サンダルの件を聞いてもなお、というのが根深いな。風太はこれからこういう気持ちを知ってきながらも石神さんに良い感情を持ち続けられるかが重要そう。
風太のまっすぐさとそれに伴う友人からの信頼が上げて落とすための布石にならないことを祈るばかりです。

 一方のストナはレイとの関わりがしっかりとあり、どうやら友情もあった様子。さらっと描かれてるけどストナへの良いフォローになっているなと。時代背景からストナは"仕事"を全うしていただけだと思うし。
イーストは実は悪い奴!という目線で1話から見ているのだけれど(目が怪しい)、1章のキャラクターっぽいのと今回のセリフで疑惑が少し晴れました。100%勘違いなので、変な勘ぐりを早くやめられるといいのですが。
 
 事後のエピソードも語られたので、今度こそフォンの章は終了でしょうかね。

 ルンは中二男子にとっては害悪すぎます。胸揺れ過ぎである。
ともあれ、底抜けに明るい人みたいなので、風太視点における作品の空気は良くなりそうで安心です。

 さて、ラストページでいよいよ出た風太の「スピリットサークル」に表示された魂の番号は"Ⅱ"でした。
 1輪の時点での予想が当たって嬉しいけど、これはつまり1章のラストがかなり嫌な感じになっていそうで恐ろしいです。1輪でのモノローグを信用するなら、おそらくあれが(風太と鉱子の縁がある)最初の人生ということになりそうなので、あの後の"祭り"で何かが起きると見ればよいのでしょうか。
 そして、この裏付けが取れたことで、現時点の石神さんが4つしか風太と因縁のある人生を知っていないということも判明したのかな。そうなると第5章から第7章にかけて石神さんの魂がやらかして、ごめんなさいしないといけない展開になることも考えられるわけですか。風太も3か月後には「うるせ」と言う程度にはなっているようですし。
 
 そもそも石神さんに風太が滅ぼすべき魂の持ち主だと吹き込んだ奴がいるかもしれない、本当の敵が何なのか、本当に今回は風太に原因がある可能性、など、まだ何も分からない段階なので予想で各話感想を長くしてしまっても仕方ないのですが……

 最後に1つだけ予想を投下しておきます。
今月号で風太母が妊娠しているのを見て、作品冒頭の"3か月後"にかかってきた電話は「弟(妹?)が生まれた」かな(父親からの電話?)と確信しました(現段階では)。そういう時って息子でも病院にいるものなんじゃないか、という疑問はありますが。
 そして、転生ものである以上、この子が生まれてから大きく話が動きだしそうな予感がします。いっそのこと14年後に飛んで真・主人公による第8章とか……ないな。

「スピリットサークル」2輪目 フォン・2

「その過去世を最初に思い出すのね。被害者のつもり?この卑怯者」 

 第1輪の感想はこちら
 "未来から過去に転生する"ことも水上作品では難しく考えずともアリでした。そこだけ補足しておきます。

 第1話の感想では触れていませんでしたが、レイが石神さんの前世だと思っていたので、すっかり騙されました。あと、まさか主人公の首が飛ぶとは…など、2話目にして既に色々と驚かされています。

 2話目にして第2章およびフォンの出番は(ひとまず?)終了のようです。
フォンは精霊が見える眼を持っていて、現世の主人公である風太にも受け継がれているので重要な役割を果たすかと思いきや首を刎ねられて絶命してしまいました。フォンの役割は"恨みを持って死ぬこと"だけだとやりきれないので、望んでいた"戦士として生まれること"が3章の主人公に継がれていればいいなと。
 
 あと、フォンについてこれは言っておきたいなというコマがありました。

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武器の軌道が環を描いていてニヤリとさせられます。芸が細かい。

 ヒロインについて。先月の時点では「仲の良いレイと一体何が起きるんだ…?」と思っていたわけですが、すっかり騙されていました。風太が外見そのままで"フォン"という風っぽい名前であることに気付ければミスリードだと気づけたものの、ストナが顔を出すまではまったく気が付きませんでした。
ストナという名前はstone(石)を連想できて、石神さんの過去世である証明になってます。
 レイに関して言えば、可愛くてよく出来ているだけに、フォンの心に良くないものを生む結果になってしまったのはわかります。大衆のために自分を犠牲にできる少女というのはスケールが大きすぎて共感できないところではありますが。
 石神さんは風太のことを憎んでいますが、1章に根本の因縁が無い限り、2章が原因でフォンの未来世が暗黒騎士になってしまい、ストナの未来世にひどいことをすることも考えられるので、悪いのはどっちなんだろうという話にならないとよいのですが。

 設定も小出しされている模様。精霊の語る言葉の真意や、風と地の神とか主人公とヒロインを連想させる言葉が出てきているのが気になります。作中における神様の扱いがはっきりしている水上作品なので、この作品で神様について一定扱ってくれることを期待しています。

 最後数ページだけ現世に戻ってからの石神さんの「あと7回死んでもらう」宣言。ヒロインとは思えません。
前回の感想で「輪に纏った魂が7つなので7回過去世がある?」という予想を立てていたのはどうやら正解のようです。「あと7回」のうち最後の1回は風太自身を殺すという意味なのでしょう。ヒロインとは思えません。
 自分がぶっ飛ばしたくせに「生きててよかったわね」などど仰る、ヒロインとは思えない石神さんに恐怖しつつも、3輪が待ちきれません。

「スピリットサークル」1輪目 フォン・1

「夢のおれは この子を大事にしなきゃって思ったんだ」

 もう2話目掲載されたアワーズが発売していますが、読んでいないのでギリギリセーフ。ということで「スピリットサークル」について何かしらを毎月書いていきます(予定)。自分用のメモとして機能すればいいかなというつもりでいるので、雑ですがご了承ください。

 アオリによると「現在・過去・未来が交錯する輪廻転生ファンタジー」とのことで、かなり壮大な話になりそう。しかも、何章かわからない現代編を軸にしつつ、1章からではなく、いきなりの2章からスタートということで相当練り込まれていると思い込んで期待値が上がりまくり。まだ1話目なので予想できることは少ないけど

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 背景が未来都市っぽいので、こいつらの話は"未来"なのかなという予想を立てました。「あの頃は―」と風太は過去回想っぽく語っているけど、アワーズでの前作「惑星のさみだれ」で時間が立体だと説明されているので未来に違いない!と思いこんでいます
 ついでに「さみだれ」の話をすると、アニマが10巻で「輪廻の輪」って言ってるので、この頃から次回作の構想をしてたのかなと気になったりして

 もう1つ予想できること。3か月前の鉱子の魂環(仮)が

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 4個だけども

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 3か月後には7個になってます。ついでに今は魂環(仮)が全く使えない風太も7個です。ちなみに表紙だと5個。表紙では共闘してるっぽいけど、これは表紙用のわかりやすい絵なのか、先の展開を示唆しているのか気になるところ。まあ今はわからんので置いておきますが

 閑話休題。簡単に予想して思いついたのが、"転生先を自覚すると、環の魂が1個増える"という説。なので、「2章・フォン」が終わると風太が魂環(仮)が使えるようになるシーンがあるのではないかなと
 転生の話があえて2章から始まるるのは、1章に秘密(風太が鉱子に憎まれている根源)があるからだと睨んでいるので、風太の魂環(仮)に最初に出てくる魂の番号あるいは記号が気になります。1番目に自覚した転生先だから"1"が出るのか、2章=2番目の転生先なので"2"が出るのかで、1章の重みが変わってきそうです。魂が7個も環に乗っている状態の時には風太にも戦う意思があるようなので、1章も割と早く描かれるのかな、という気はしています。まあ、まだ1話目なのでこれも考えてもしゃーないことです
 
 しかし、本当に"魂の数=転生の数"だとしたら、冒頭の"3か月後"まで流そうです。楽しみだけどじれったい

 ストーリーの面白さもさることながら、水上作品を1話からリアルタイムで追いかけられる喜びと、何より―

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 今の絵柄で最初から読めるというのが嬉しすぎます。雪待スキーとしてはツインテール族のノノに目が行ってしまうけど、やはり今月はこの鉱子がぶっちぎりで可愛いです

○主人公・桶屋風太

 今月のピックアップは主人公。最初だし
 桶屋風太という名前を聞いて、「風が吹けば桶屋が儲かる」を連想せずにはいられません
「風が吹けば桶屋が儲かる(かぜがふけばおけやがもうかる)とは日本のことわざで、ある事象の発生により一見すると全く関係の無いような思わぬ所・物事に対して影響が出ることの例えである」
 名は体を表しすぎである。今月の話でとばっちりを受けまくっています

 あと、名前といえば今回はキャラの名前が面白いです
 友達ーズが、火⇔水、樹⇔鉄(木と金) と五行思想に法った名前になっています。そうなると"土"がいないのが気になるところ。新キャラに土の付く名前が出てきたら注意したいなと。一応、風太の苗字に"土"が入ってるけど、他の4人が名前に五行入っているのに風太だけ苗字で条件クリアってのも変な話なので
 風太も属性っぽい名前ですが、「戦国妖狐」的に考えると"風"は7番目ですし
……はっ!もしや風太は第7章!?(ない) 

 何回か読み返しているうちに、風太と夕日が対極にいるような気がしてきました
 友達も父親もいるのと、あとやっぱりこれです

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 考えたらダメなタイプのようです。"思考する者"だった夕日とは真逆にいるようで、「惑星のさみだれ」とは全く違う物語になる確信があります。でも、やっぱり引き込まれてしまうなー、早く2話読みたいなー
…ということでオチたので、第1話についてはこの辺で

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